タワーマンション市場の20年の変遷
近年の都市部ではタワーマンションの人気が高まっている。特に東京23区や大阪市では、数多くのタワーマンションが建設され、その価格は驚くべき上昇を見せている。株式会社マーキュリーが発表したデータによると、タワーマンションの価格はこの20年間でおよそ2倍に跳ね上がったという。
供給の動向
タワーマンションの供給ペースを見てみると、2004年から2006年までは特に活発で、東京23区では年7,000戸、大阪市では3,000戸以上が供給されていた。さらに、東日本大震災の影響で2011年の供給が後倒しとなり、その反動で2013年には東京23区で8,000戸、大阪市で3,000戸が新たに市場に出回った。このような背景から、タワーマンションの新しい需要が生まれてくることが予想されている。
地域別供給の傾向
特に東京23区内では、江東区、港区、中央区、品川区に供給が集中している。これらの地域は、タワーマンションの立地条件がいいことで知られ、特に江東区では20年間で2万戸以上の供給が確認され、平均で年1,000戸以上の供給が行われている。一方、大阪市でも北区、中央区、西区、福島区で供給が多く観察されるが、特に中心部から沿岸部にかけての地域が注目される。
価格の進展
タワーマンションの平均価格も目を見張るほどの上昇を見せている。2004年当時の平均価格は東京23区で5,300万円、大阪市で3,864万円であったが、2023年には東京23区で1億1764万円、大阪市で7,863万円に達している。これにより、過去20年で価格がほぼ2倍にまで増加したことがわかる。特に2015年以降の価格上昇は、供給エリアの絞込みと供給戸数の減少が要因とされている。
平米単価の変化
また、1㎡あたりの価格も同様に上昇しており、2004年の68万円/㎡から2023年には170万円/㎡にまで跳ね上がっている。この結果、㎡単価は約2.5倍に増加した。興味深いことに、この間に物件の面積が狭くなってきていることも指摘されており、タワーマンションがより高価格帯の物件へと変革している傾向が見受けられる。
最高価格について
最高価格の動向も見逃せない。東京23区では、2010年以前には都心の一等地のタワーマンションが10億円程度に留まっていたが、2015年以降は15億円前後にまで上昇するケースも見られる。一方、大阪市では2億円から5億円の間で推移しており、東京と比較しても最高価格に大きな開きがある。
今後の見通し
タワーマンション市場は、需要の高さに加え供給の減少と新築マンション市場全体の高騰によって、今後も価格が上昇する見込みだ。最近の市場動向からは、急激な変化よりも、価格の安定化が期待される。他の不動産市場と同様に流動性が増す過程で、タワーマンションは地域や価格帯を問わず、買手にとっての有力な選択肢であり続けることが考えられます。
マーキュリーについて
株式会社マーキュリーは、1991年から不動産ビッグデータを活用して事業を展開してきた企業である。AIを取り入れたリーディングカンパニーとして、不動産業界に新たな潮流を生み出している。
このように、過去20年にわたるタワーマンション市場の動向は、価格や供給の面から多くの変化をもたらしてきた。この先の市場がどのような展開を見せるか、引き続き注視が必要である。