西日本工業大学と中屋敷株式会社の産学連携
地震多発時代に突入し、改めて住宅の耐震性や制震性への関心が高まっています。そんな中、西日本工業大学と中屋敷株式会社が手を組んだ産学連携協定が注目を集めています。この取り組みの目的は、最新の制震デバイス「ダイナミックファスナー®」を全国的に普及させ、地震から人々の生活を守ることです。
「ダイナミックファスナー®」の誕生背景
この制震デバイスは、1995年の阪神・淡路大震災で多くの住宅が倒壊したことを受けて、西日本工業大学のデザイン学部長が開発に着手しました。超高震動の環境において、揺れを吸収することは、耐震性能だけではなく、制震性能を備えることが求められています。
多くの住民が地震の恐怖にさらされている現代において、耐震性を高めるだけでなく、揺れを抑えることで住宅の損傷を最小限に抑えることが求められているのです。
産学連携による普及活動
西日本工業大学は、専門的な技術支援を提供しつつ、制震デバイスの全国普及に向けた啓発活動を行うことを約束しています。さらに、このデバイスの強みである制震力を解析するためのソフトウェアも無料提供され、より多くの家庭がその恩恵を受けることができるようになります。
特に、住宅の設計においてこのデバイスを活用すれば、地震による損傷を未然に防ぐことが可能となります。これにより、地震を理由に不安に感じることのない生活環境を提供することが目指されています。
継続可能な社会を展望して
今後、制震力の高い住宅を建設することは、持続可能な社会づくりに向けた重要な一歩となります。SDGs(持続可能な開発目標)に沿って、長期的に維持可能な住宅づくりや、地震による廃棄物を削減することが求められています。これは環境保護にも寄与し、未来の世代へも安心して生活できる空間を残していくための重要な施策です。
「ダイナミックファスナー®」の特長
この制震デバイスの最大の魅力は、耐震性と制震性を両立させることで、地震の影響を受けにくい住宅を実現する点です。
- - 特徴1: 繰り返す地震に強い住宅を実現。揺れを抑える事で、損傷を防ぎます。
- - 特徴2: 従来の筋交い金物との置き換えが簡単で、コストと手間を削減できます。
- - 特徴3: 日本製のビスひとつから製造され、約60年の耐久性が確認されています。
今後の展望
西日本工業大学と中屋敷株式会社の共同プロジェクトが成功すれば、さらに多くの住宅が制震デバイスを取り入れ、地震に対する備えが飛躍的に向上することでしょう。
地震がもたらすリスクを軽減し、誰もが安心して暮らせる未来のために、この取り組みが今後どう進展していくか期待が寄せられています。