アグリショット株式会社、AI・IoT活用の新プロジェクト始動
アグリショット株式会社は、和歌山県が主催する「令和6年度先駆的産業技術支援事業」に選ばれ、果樹栽培向けの病害虫発生予測システムの実用化に向けた新プロジェクトを始めました。この取り組みでは、AIとIoT技術を駆使して病害虫の発生を予測し、無駄な農薬の使用を減少させることを目指しています。
環境意識の高まりと農業の課題
現代社会では、環境問題への意識が高まり、持続可能な農業の実現が求められています。EUは「Farm to Fork戦略」により2030年までに農薬使用量を50%減らす目標を策定。一方、日本でも農産物輸出額10兆円という目標に向けて、持続可能な農業の基盤を築く必要があります。これに対応するため、アグリショット株式会社は病害虫対策においても効果的な手段を模索しています。
新しい病害虫予測システム
この新しいシステムでは、環境データ(温湿度、降水量など)を活用し、病害虫の発生を予測するWEBアプリケーションを開発します。対象となる主要な病害虫には、かんきつの黒点病やカイガラムシ、うめの黒星病、もものモモハモグリガなどがあります。アグリショットは県内の約100地点に環境モニタリング装置を設置し、リアルタイムでデータを収集・解析します。
システム導入のメリット
このシステムの実装により、農薬散布のコストが約15%削減できると試算されています。また、防除の労力やコストを大幅に軽減し、収量や品質を向上させることで生産者の収益改善に貢献します。さらに、環境負荷を低減し、カーボンニュートラルに寄与することが期待されています。
実証実験と商用化の計画
アグリショットは2024年10月から和歌山県内で実証実験に着手し、2025年度中の商用化を計画しています。このシステムの導入による経済効果として、年間100億円規模の新たな市場創出や地域経済の活性化、新規就農者の参加促進などが挙げられています。
デジタルトランスフォーメーションへの貢献
アグリショット株式会社は、AIとIoTを駆使したこの新プロジェクトを通じて、日本農業のデジタルトランスフォーメーションを進め、持続可能な食料生産体制の構築に貢献していく考えです。これにより、環境に優しい農業の実現を目指します。
【会社概要】
- - 社名:アグリショット株式会社
- - 設立:2020年4月
- - 事業内容:農業IoTソリューションの開発・提供
- - URL:アグリショット株式会社