三機工業が手掛けた新時代のクリーンルームシステムBroDOUP™
三機工業株式会社は、空調システムに革新をもたらす新製品「BroDOUP™(ブロードアップ)」を発表しました。この製品は、クリーンルーム向けの空調システム「DOUP®」を基に、その適用範囲を広げ、大規模クリーンルームのニーズにも対応できるように設計されています。
開発の背景
産業界では、クリーンな環境での生産が求められています。特に半導体や製薬業界では、微細な埃や汚れが製品に悪影響を与えるため、クリーンルームは必要不可欠です。三機工業はこれらの業界に向けて、より効率的で効果的な空調管理を実現するためにBroDOUPを開発しました。
BroDOUPの構造
BroDOUPは2つの型式からなります:天吊り型の「BroDOUP-CE」と床置き型の「BroDOUP-FL」です。両型式ともにそれぞれ異なるメリットを持ち、特定のニーズに応じた選択が可能です。
BroDOUP-CE(天吊り型)
この型式は、クリーンユニットを天井から吊り下げており、下向きに冷風を送ります。コアンダ効果により、冷風は床面で広がり、クリーンエリアを効率よく形成します。これにより、クリーンルーム内の利用面積が最大化されるという大きな利点があります。
BroDOUP-FL(床置き型)
一方、BroDOUP-FLは床に設置され、ユニットから下向きに冷風を放出します。このように設計することで、生産装置の水濡れリスクを軽減し、施工が簡易化されることもメリットの一つです。
特徴と利点
1. 省エネルギー性能
BroDOUPは、冷水の温度を高める設計により、冷凍機の効率を向上させます。これにより、冷水製造エネルギーの消費を削減でき、企業のコスト削減につながります。また、排熱回収システムとの連携で、さらなる省エネ効果が期待できます。
2. 柔軟なレイアウト変更
BroDOUPは、クリーンユニットを生産装置から一定の距離を保って設置できるため、レイアウト変更に対しても柔軟に対応することが可能です。これにより、企業は生産効率を維持しやすくなります。
3. 換気効率のアップ
室内の低い位置で供給される冷気は、効率的に清浄化された空気を循環させるため、換気回数を削減できます。これにより、運転コストの低下が実現します。
今後の展開
三機工業は、BroDOUPに関連する特許を6件取得しており、今後さらなるクリーンルーム関連技術の開発を進める予定です。クリーンルームの新しい省エネ技術を積極的に営業展開し、業界標準を確立していく方針です。
まとめ
三機工業のBroDOUP™は、クリーンルーム業界における新たなスタンダードとして期待されています。省エネ性や設置の柔軟性、効率的な換気により、企業は今後ますます厳しくなる環境規制を乗り越えることが可能です。新しいクリーンルームの形を求める企業にとって、BroDOUPは強力な選択肢となることでしょう。