第40回日本女性医学学会学術集会の重要な発表
2025年11月1日・2日に東京のホテルイースト21で開催される第40回日本女性医学学会学術集会において、月経に伴う症状に関する重要な研究成果が発表されました。この発表は、株式会社インタースペースのグループ会社である4MEEE株式会社が展開するヘルスケアアプリ『4MOON』を通じた共同研究によるもので、株式会社テックドクターとあすか製薬との協力のもとに進められたものです。
研究の背景
月経に関連する症状は、約80%の日本人女性が経験するとされている一般的な健康課題です。多くの女性が生理痛や下腹部の不快感、倦怠感を日常的な苦痛として抱えているものの、医療機関への受診はあまり行われていない現状があります。これに対し、最近の研究では月経症状の背後に、ホルモン変動だけでなく、睡眠の質や日常の活動量が影響していることが指摘されています。
この研究は、ウェアラブルデバイスを使用して、心拍数や睡眠データを収集することで、月経随伴症状の重症度を客観的に評価することを狙いとしています。これまでの研究では、短期的な観察や自己申告に基づく情報のみでは、症状の連続的な変化を把握することが難しかったため、新しいアプローチが期待されています。
共同研究の結果
この新たな研究の結果、月経に伴う症状の重症度が高いほど、睡眠の乱れが大きく存在することが明らかとなりました。また、痛みスコアが高い群では睡眠効率が低下する傾向も観察され、症状の重さと睡眠の質の関連が示されたのです。先行研究でも同趣旨の結果が報告されていますが、本研究ではウェアラブルデータを用いることにより、より客観的な成果を得ることができた点が重要です。
社会的意義
この研究成果は、月経に関連する症状を評価する新たな手法の基盤を提供します。特に、月経困難症に対して、より客観的かつ定量的なアプローチを持つことは、女性の健康を向上させるための重要なステップと言えるでしょう。今後、このデータをもとに新たな治療法やケアの方法が開発され、女性たちの生活の質向上に寄与することが期待されています。
今後の展望
4MEEE株式会社では、これからも月経に関連する症状の実態確認や、その重症度の定量的評価を続け、デジタルバイオマーカーの開発に取り組む計画です。月経の不調に悩む女性たちに向け、適切な治療機会を提供し、彼女たちの生活の質(QOL)の向上に貢献していくことが求められています。
おわりに
月経随伴症状に関する理解を深め、医療の現場での対応が進むことが望まれています。この研究の進展が、未来の女性医療において重要な役割を果たすことを期待したいものです。