中途採用・転職活動の2024年上半期の実態
株式会社マイナビは、2024年4月から6月にかけて実施した「中途採用・転職活動の定点調査」の結果を発表しました。調査は全国の企業および個人を対象に実施され、重要なデータが浮き彫りになっています。
企業の中途採用実施率は41.8%
2024年6月の企業の中途採用実施率は41.8%となり、2023年4月以降はほぼ横ばいの状況です。中途採用に対する企業の取り組みは続いている一方で、個人の転職活動実施率は3.5%とわずかに減少しています。このデータからは、企業の採用活動は活発である一方で、求職者の側では転職への関心が薄れている傾向が読み取れます。
人材の流動性に対する認識
調査の中で、「人材の流動性促進」について企業の採用担当者の65.1%がプラスの印象を持っていると回答しました。また、従業員数が301名以上の企業では、その割合が78.5%に達しており、規模が大きいほどプラスの認識が強いことがわかります。この背景には、「効率的に欲しい人材を採用できる可能性が増える」が多く挙げられていますが、同時に「人材が流出し人手不足が深刻になる」との懸念も示されています。
過去の職場への帰属意識
興味深いことに、約3人に1人の正社員が「過去の職場に戻りたいと思ったことがある」と回答しました。その理由としては、ライフステージの変化や、退職後に会社の良い点に気づいたことなどが挙げられました。特に、退職後も連絡を取り続けている人々の間では、戻りたいという思いがより強く現れました。
企業が見出す新たな採用機会
このような背景を踏まえ、企業は「出戻り採用」などの新たな人材確保の手段を模索する必要があります。退職者が戻りたいと思うような環境を整えることが求められる中、企業はまず連絡が取れる体制を整えることで、ポジティブな効果を期待できるかもしれません。
調査概要
この調査は2024年7月1日から6日にかけてWebアンケート方式で実施され、企業からは5,221件、個人からは35,174件の有効回答を得ています。各種結果の詳細はマイナビの公式サイトから確認することができます。
今後の転職市場や人材流動性のさらなる動向についても注意が必要です。