アルバイト・パートの平均時給が過去最高を更新
株式会社マイナビが発表した「2025年5月度アルバイト・パート平均時給レポート」によると、2025年5月の全国平均時給は
1,306円となり、前月比では10円、前年同月比では71円の増加を記録しました。これにより、3ヶ月連続で時給が増加し、初めて1,300円台に達したことが示されています。
各エリアの状況
エリア別に見てみると、全7エリアで前月比および前年同月比ともに時給が増加しました。その中でも特に[中国・四国]が注目されています。こちらでは平均時給が
1,199円と11カ月連続で増加し、過去最高を記録しました。これに伴い、関東との時給差が少しずつ縮小している傾向が見られます。
三大都市圏の動向
三大都市圏における平均時給は
1,338円となり、こちらも前月比で6円、前年同月比で64円の増加です。特に[飲食・フード]の分野での時給は
1,209円に達し、5ヶ月連続での増加を見せています。逆に、[警備・清掃・ビル管理]分野では4ヶ月連続で時給が増加しており、全体的に雇用市場は活性化している様子が伺えます。
熊本県の特異点
今月の特筆すべき話題として、熊本県の求人市場が挙げられます。ここでは半導体工場の建設が進んでおり、求人数が前月比で
1.1倍にもなっています。熊本県だけでなく、九州エリア全体にわたって平均時給が上昇し続け、1,200円を超える理想的な状況が続いています。
背景にある要因
この時給の上昇は、堅調なインバウンド需要や国内の行楽需要の回復が後押ししていると考えられます。また、春闘による賃上げの影響や人手不足の恐れも時給上昇に寄与しているようです。しかしながら、飲食業界では食材価格の高騰や金利の上昇が企業の人件費戦略に影響を及ぼす可能性があり、今後の動向については注意が必要です。
賃金格差についての考察
調査結果からは、地域間の賃金格差が縮小していることも明らかになりました。これは、最低賃金の引き上げに関する議論が進む中で、労働者が都市部に集中する傾向や地方の過疎化を防ぐ要因と考えられています。格差是正は地域経済の活性化にもつながるため、注目されるべき課題と言えるでしょう。
マイナビの調査結果は、全国47都道府県を対象に実施されたものであり、具体的なデータはマイナビバイトの情報サイトで確認できます。
まとめ
2025年5月のアルバイト平均時給は、経済の回復を象徴する重要なファクターとなっています。この傾向が今後も続くのか、またどのような影響を地域経済にもたらすのか、引き続き注目が集まります。