2025年にインドネシアのチカランで自動車教習所が開設されることが発表されました。これを進める合弁会社PT DAISAN MINORI INDONESIA(以下、DMI社)は、株式会社ダイサン、PT.MINORI、ジップラス株式会社から成る企業連合です。本教習所では日本の交通ルールや安全意識を考慮し、日本の道路環境に適応できるプロフェッショナルドライバーを育成することを目的としています。
教習所の特徴
DMI社の自動車教習所は、約4,000㎡もの広さを持つ設計で、日本における教育の質をインドネシアで再現します。具体的には、日本の教習所と同等のカリキュラムを導入し、運転技能や学科教育を一体的に学べる体制を整えています。また、ジップラス株式会社の豊富な運転技術教育のノウハウと、ミノリ社の学校運営の専門性を活かし、模擬試験やオンラインツールを使用した学習方法が用意されているのも特徴です。
教育の内容
この教習所では、運転技術に関する基礎から応用までを学ぶことができます。カリキュラムの中には、日本での運転に必要な知識や技術を包括的に習得するための以下のようなプログラムがあります:
- - 日本語教育: 日本で生活するための基本的なマナーやルールに関する指導、日本語能力試験(JLPT)合格を目指した学習が行われます。
- - 運転者教育: 普通一種、準中型、普通二種免許の取得を目指したオリジナルプログラムにより、実際の運転技能を養います。さらに、業務に必要な運送業務や荷役作業についても広範な知識を学ぶことができます。また、運転前の点検や危険予知トレーニングも重視されています。
日本入国後も、外免切替や日本の教習所での免許取得のサポートが充実しているため、すぐに実践へと移行可能です。免許取得後は、様々なアプリを使用した日本の交通ルールや一般常識の教育も実施され、安心して業務に臨むことができるようになります。
背景
日本の自動車運送業界は、少子高齢化と若年労働人口の減少により、深刻な人手不足が問題となっています。2024年に施行予定の時間外労働規制の影響もあり、運送業界については特に重大な影響を及ぼすと懸念されています。これを受けて、海外からの労働者受け入れがますます重要視されています。
特に「特定技能制度」を活用することで、投資を通じた新たな人材雇用の機会が増加しています。自動車運送業も新たに対象分野に加わったため、外国人ドライバーが日本で働ける環境が整いつつあります。DMI社の教習所は、こうした背景の中で、即戦力となるドライバーを育成する新しい試みとなります。
合弁会社の概要
DMI社は、2008年設立のミノリ社と、2017年設立のジップラス株式会社によって支援され、大きな期待がかかっています。藤田武敏社長のもと、教習所の開設と運営を通じて、日本の運送業界の発展に寄与すべく、事業を展開していく予定です。今後の成果に注目です。