デジタル展示「Convergence of Peace Activities」ニューヨークで公開
2022年8月6日、広島・平和記念公園に関するデジタルコンテンツがアメリカ・ニューヨークで展示され、大きな注目を集めています。この展示は東京大学が主催し、最新のテクノロジーを駆使した平和活動の促進を目指しています。展覧会は現地時間で8月6日から7日の間、東京大学ニューヨークオフィスで行われ、3D、AI、VRなどのデジタル技術を活用して、平和の重要性を体感できる機会を提供しました。
近年、広島は被爆から77年を迎え、その歴史的な重みを受け継ぎながらも、老朽化する被爆建物の保存など新たな課題に直面しています。こうした背景の中、展示されているコンテンツは、未来の世代に向けた大切なメッセージを届けています。
展示内容の特徴
1. 高精度3Dスキャンによるデジタル展示
展示の目玉となっているのは、アメリカのIT企業Matterport社の技術を利用して作成されたデジタルツインプラットフォームです。このプラットフォームは、誤差1%以内の精度で、平和関連施設を高精細な3Dモデルとして再現します。参加者は、4K画質のウォークスルーを通して施設内を自由に探索でき、実際の歴史に触れることができます。
特に興味深いのは、被爆ピアノの物語が埋め込まれた機能です。レストハウスの2階にあるピアノをクリックすると、持ち主に関する情報や過去の演奏動画を視聴でき、訪問者はピアノにまつわる心温まるエピソードを体感できます。
2. 360°空撮ポータルサイトの公開
展示には、特殊ドローンによる8Kの高精細な空撮画像が組み合わされており、368°ビューで原爆ドームとの位置関係を把握できます。施設をクリックするとMatterportのデジタルコンテンツが立ち上がり、まるでその場にいるかのような体験が可能になります。これにより、広島の歴史と平和への思いが、参加者の記憶に刻まれることでしょう。
3. ヒロシマをVRで体験するツアー
新たに加わった「360°映像体験ツアー」では、被爆前の広島の姿が忠実に再現されており、参加者は実際に平和記念公園を巡りながらその歴史を感じることができます。「PEACE PARK TOUR VR」と名付けられたこのツアーは、全国からアクセスできるコンテンツとなっています。
東京大学・渡邉英徳教授の言葉
インタビューで渡邉教授は、「現在、世界は様々な危機に直面しており、平和への意識が求められる中で、我々は先端技術を駆使して若者たちにその重要性を伝えていきたい」と語りました。今回の展示が未来に向けた希望の源となることを願っています。
お問い合わせ
この展示に関心のある方は、東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室までご連絡ください。
このデジタルコンテンツ展示は、広島の過去と現在をつなぎ、未来に希望を託すための貴重な機会です。ぜひ、多くの人々に参加していただきたいと思います。