SKハイニックスとInfinitesimaの提携
韓国の半導体メーカー、SKハイニックスが、Infinitesima社の新技術「Metron®3D」を正式に採用し、その運用を開始したことが発表されました。この技術は300mm対応のインライン計測システムであり、高速で高精度なプロセス制御が可能です。
Metron®3Dの特長
「Metron®3D」は、一般的なAFM(原子間力顕微鏡)の約10倍の速度で画像を生成することができ、そのため生産現場での高速な量産工程(HVM)に最適化されています。サブ・ナノメートルの精度で3Dプロセスを管理できるため、次世代のDRAM製造において不可欠な存在となることでしょう。
このシステムは、多くのプロセス工程で特性評価を受けた後、厳格な検証期間を経て量産化されました。DMI(欠陥解析・計測・検査技術)責任者のYoung-Hyun Choi氏は、「ナノレベルの3Dプロセス制御は、最先端のDRAM製造における歩留まりの改善に極めて重要であり、その重要性は今後一層増加していく」と述べています。
高速計測技術の利点
Metron®3DはInfinitesimaの独自技術であるRapid Probe Microscope™(RPM™)を搭載しており、一般的なAFMに比べて10倍から100倍のスループットで計測を行うことが可能です。このシステムにはウェハ、データ、プローブの自動処理機能も備えられており、半導体デバイスのインライン生産に最適なマシンとなっています。
SKハイニックスがこの技術に投資したことは、コンピュータメモリの製造における技術的優位性を保つための強い意志を示しています。Infinitesimaの代表取締役社長 兼 CEOのピーター・ジェンキンス氏は、「SKハイニックスに当社製品を採用していただき感謝申し上げます。サポートをいただいたおかげで、Metron®3Dの迅速な認証と生産現場への導入が実現しました」と語っています。
半導体業界におけるニーズ
Infinitesimaは、英国を拠点にした半導体向けの先進的な計測ソリューションメーカーで、原子間力顕微鏡を用いた3D表面検出機能、高速レーザー活性化、および高精度干渉計を組み合わせた技術を要する新しいプロセス管理に対応しています。現在、半導体業界では、光学技術や電子ビーム技術では対応が難しい次世代プロセスに向けて、さらに高精度な3D計測ソリューションの需要が高まっています。Infinitesimaはこのニーズに応えるため、特許技術であるRPM™を活用したMetron®3Dをリリースしています。
このように、Metron®3Dが生産ラインに導入されることで、半導体製造工程における効率化や品質向上が期待され、今後の技術革新が進むことは間違いありません。詳細については、
Infinitesimaの公式サイトをご覧ください。
*1ナノメートル(nm)は10の-9乗です。シリコン原子の直径は約0.2 nmとされています。
SKハイニックスのプロフィール
SKハイニックスは、韓国に本社を置く世界的な半導体サプライヤーで、DRAMとNANDフラッシュメモリを提供しています。株式は韓国証券取引所に上場されており、さらにグローバル預託株式(GDS)はルクセンブルク証券取引所にも上場しています。SKハイニックスの詳細は
公式サイト を訪れてご確認ください。