外国人社員が語る、日本の職場のリアル
近年、日本の企業における外国人社員の増加が著しい。特に、グローバル化や多様性の推進、人材不足が背景にある。しかし、彼らの中には日本独特の文化やコミュニケーションの課題に直面している人も多い。そんな中、外国人留学生の人材紹介を手掛ける株式会社オリジネーターが実施したヒアリング調査では、若手外国人社員がどのような体験をしているのかが明らかになった。
日本語のコミュニケーションの壁
調査に参加した4名の若手外国人社員からの意見では、実際の日本語よりも「検討します」といった曖昧な表現が戸惑いを招いたとのこと。「入社当初は、これが本当に意味することだとは思わず、前向きに進んでくれるものと受け取っていました」とベトナム出身のBさんは振り返る。言語だけでなく文化の理解が必要とされています。
また、日本語特有の業務用語や表現に困惑する場面も多々あったようだ。「差し替え」や「差し戻し」といった言葉は学校では習わないため、言葉の意味そのものを調べるために辞書に頼らなければならなかったというマレーシア出身のCさんの体験も印象的だ。
日本独特の働き方
外国人社員が驚いたのは、名刺交換という日本特有のビジネスマナーだ。「それはまるでシンクロダンスのようでした」とトルコのAさんは表現する。名刺交換は単なる礼儀ではなく、相手への敬意が根底にある文化であることを学んだという。
しかし、例えば「普段通り」という表現が実際にはどのような服装を指すのか分からず、ほかの社員と異なるジーンズで出席したこともあったとDさんは語る。暗黙のルールに戸惑ったエピソードだ。
成長のための環境
職場での成長を促進するために、外国人社員は「何でも聞ける職場環境」が重要だと口を揃えています。「わからないことを気軽に質問できる職場であれば、安心して仕事に取り組める」とBさん。彼らは外国人であることを特別視せず、同じチームの一員として接してほしいと願っています。
日本語が流暢ですらない限り、コミュニケーションの力も必要だとCさんは語る。自らの考えを相手に分かりやすく伝える力は、驚くほど価値がある。言葉での表現だけでなく、相手を思いやる姿勢が、スムーズな仕事を演出すると彼は強調する。
AIとの付き合い方
最近ではAIツールの利用が増えているが、彼らは「頼りすぎないように注意が必要」とも警告している。AIが生成する自然な日本語文であっても、自分の実際の日本語レベルと乖離があることが多い。実際に使う日本語とのギャップに苦しむ場面も見られるからだ。相手が持つ印象を大切にしながら、AIを利用するスキルを高める必要があると感じている。
未来へのビジョン
若手外国人社員たちは、資格やスキルを磨きながら自らのキャリアビジョンを描いている。Dさんは建設業の資格取得や日本語能力試験(N1)を目指し、Bさんは日本和ベトナム間の架け橋となることを夢見ている。将来的には女性管理職としての役割も担いたいと意気込むAさんの姿も印象的だ。
最後に
企業側が彼らの可能性を引き出すためには、心理的安全性の高い環境を整備することが重要である。日本特有のハイコンテクストなコミュニケーションの理解が、外国人社員が本来の力を発揮するためのカギとなるだろう。オリジネーターの取り組みを通じ、その実践がぜひとも進められることを期待したい。