AIと医療の未来
2019-04-09 15:23:53
東京大学とドクターネットが手を組んだ医療画像診断向けAI研究
東京大学とドクターネットが共同研究を始動
最近、医療分野におけるデジタル技術の進化が目覚ましい中、株式会社ドクターネットと東京大学医学部附属病院は、画像診断の精度と効率を向上させるための共同研究を開始しました。本記事では、この研究の背景と具体的な取り組みを詳しくご紹介します。
研究の背景
近年の日本では、医用画像診断装置の技術革新により、短時間で高解像度の医療画像が生成されるようになりました。しかし、これに伴って検査を受ける患者数が増加する中、医用画像の診断には専門的な技術が求められています。特に、日本では画像診断医の数が不足しており、医師たちの負担が増大する一方です。
長時間にわたり多くの医療画像を観察しなければならず、この状況が適切な所見を見落とすリスクを高めています。そこから生じたイレギュラーな医療事故は、メディアでの報道もあり、依然として大きな問題となっています。こうした課題を解決するために、人工知能(AI)とコンピュータ支援診断(CAD)技術が重要視されています。
共同研究の概要
この共同研究は、主に人工知能技術を活用したCADソフトウェアの開発及びその臨床応用を目指しています。これにより、医療現場における複雑な画像診断作業を効率化し、医師たちの負担を軽減することが期待されています。具体的な取り組みとして、CADソフトウェアに必要なデータ取集や出力形式を標準化し、開発プロセス全体の促進を図る計画です。これにより、より効果的な医療サービスの提供が可能になります。
CIRCUSプラットフォームについて
さらに、東京大学医学部附属病院が開発したCIRCUS(Clinical Infrastructure for Radiologic Communication of United Solutions)というオープンソースソフトウェアプラットフォームは、CADソフトウェアの効率的な開発と連携運用を実現します。このプラットフォームは、遠隔地でのリアルタイム診断を可能にし、多施設間でのデータ共有を促進します。これにより、さらなる医療の質向上が期待されています。
AI-RADラボの役割
ドクターネットは、医用画像診断におけるニーズを捉えるため、2018年度にAI-RADラボを設立しました。このラボでは、AI技術の研究開発に取り組み、実用的なCADソフトウェアの展開や国内外の研究機関との連携を強化しています。AIを活用した医療の実現に貢献するため、より多くの技術的革新と知見の共有を推進しているのです。
まとめ
医療技術の進化は、このように多様な分野での連携によって進展しています。ドクターネットと東京大学の共同研究は、AI技術を利用した新たな医療画像診断の時代を切り開くものであり、今後の展望に大変期待が持てます。同社は、2023国際医用画像総合展(ITEM2023)にも出展予定で、AI-RADセクションを中心に様々な展示が行われる予定です。訪問予定の方は是非、その成果を体感してみてはいかがでしょうか。
会社情報
- 会社名
-
株式会社ドクターネット
- 住所
- 港区芝大門2-2-5住友芝大門ビル8階
- 電話番号
-
03-3459-5665