新しいシナプス薬
2022-08-04 11:30:29
グリア細胞を活用した新たなシナプス薬開発の進展
グリア細胞を利用したシナプス薬研究の新たな突破口
中枢神経系における新しい治療法の開発が、一歩前進しました。福岡大学薬学部と株式会社iONtargetの共同チームが、グリア細胞の一種であるアストロサイトを用いた新規シナプス薬效標本を確立したのです。この研究は、アルツハイマー病やてんかんを含む多くの神経疾患の治療に向けた期待を高めています。
脳は神経細胞だけで構成されているわけではなく、グリア細胞が重要な役割を果たしています。特にアストロサイトは、神経細胞を支え、シナプスの形成や成熟に関わります。最近の研究では、これらのグリア細胞が多くの中枢神経系疾病に密接に関与していることが明らかになり、神経細胞とグリア細胞双方への作用が治療において不可欠であることが認識されつつあります。
新しい培養標本の開発
特に注目されるのが、今回の研究で確立されたヒトiPS細胞由来のアストロサイトと単一ニューロンの共培養技術です。この「オータプス」培養標本では、1つの神経細胞が自らにシナプスを形成することが可能です。その結果、神経回路は最小化され、より単純化されるため、アストロサイトによる神経細胞の修飾を詳細に観察・解析することができるようになりました。
また、ヒトiPS細胞由来のアストロサイトを使用することで、ヒト特有の反応を忠実に再現した薬効評価が可能になります。これにより、グリア細胞とシナプスとの関連性に関する包括的な作用機序の解析が遂に実現したのです。この成果により、薬効が高く副作用の少ない中枢神経系への医薬品開発が、飛躍的に進むことが期待されています。
今後の展望
将来的には、この新たな薬効標本を基に、より効果的かつ安全な治療薬が登場することでしょう。神経疾患に悩む多くの患者にとって、朗報となる可能性が高いと言えます。また、今回の発見が他の疾患や治療法への応用にも繋がることが期待され、脳科学の研究はますます進展していくことでしょう。
この成果は、神経科学分野における重要なマイルストーンとなること間違いなしです。今後の研究にますます期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
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株式会社iONtarget
- 住所
- 福岡県福岡市早良区百道浜1丁目3-70-5805
- 電話番号
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