新しい無線通信技術の登場
イー・フォース株式会社(東京都中央区)は、株式会社メガチップスが提供するWi-Fi HaLowモジュールに対応したドライバ・ミドルウェア製品「μC3-WLAN SDK 11ah」の販売を開始しました。Wi-Fi HaLowは920MHz帯の周波数を用いる新型の無線LAN規格で、特にIoT(モノのインターネット)の通信システムでの用途が期待されています。従来のWi-Fiと比較して、約10倍の伝送距離を実現し、数Mbpsの伝送速度で通信が可能です。この特性により、様々な環境での応用が見込まれています。
Wi-Fi HaLowの利点
Wi-Fi HaLowの特筆すべき点は、TCP/IPを使用した通信ができるため、ゲートウェイが不要になることです。これにより、アクセスポイントを介して直接クラウドにアクセスできるため、IoTデバイスの運用がスムーズになります。この新たな技術は、壁や遮蔽物が存在する環境でも高い信号性能を発揮し、従来のWi-Fiでは届かなかった死角を解消することが可能です。また、高い転送速度(約1Mbps)を誇ることで、画像送信や遠隔コントロールなど、人件費削減に貢献する機能を持っています。
多様な用途
今後のスマート工場、ホームネットワーク、さらにはスマート農業といった分野での導入が期待されるWi-Fi HaLowですが、例えばLTE通信を一部Wi-Fi HaLowに切り替えることでコスト削減をもたらすことが可能です。このように、コストエフィシェントな選択肢として、企業の通信方法を刷新する要素となり得るのです。
μC3-WLAN SDK 11ahの特長
新たに登場した「μC3-WLAN SDK 11ah」は、イー・フォースのRTOS「μC3」とネットワークプロトコルスタック「μNet3」を駆使しており、多くの利点を提供します。このSDKは、RTOSとTCP/IPプロトコルスタックが一体化されたパッケージ形式を採用することで、Wi-Fi HaLowを利用した開発を簡易化しています。また、HTTPやMQTTといった豊富なプロトコルが利用できるため、IoT通信を行う環境を容易に整えることが可能です。
技術基準適合証明の取得
さらに、技術基準適合証明を取得したモジュールを使用するため、最終的なセット製品における証明の取得が不要となります。これにより、開発期間やコストを大幅に削減できるメリットがあります。モジュール自体は非常にコンパクトで、寸法はW:23mm x D:14mm x H:2.58mmとなっており、ハードウェアコストの削減にも寄与しています。
MRF61_Aモジュールの特性
製品には、新しい技術でグローバルに展開しているMorse Micro社のトランシーバーICが搭載されており、長距離通信にも強いアドバンテージを持っています。これにより、さまざまな現場での使用が見込まれるWi-Fi HaLowの可能性がさらに広がります。
この新製品「μC3-WLAN SDK 11ah」の詳細や、イー・フォース株式会社のさらなる情報については、公式ウェブサイトをご覧ください。