苫小牧高専におけるサイバーセキュリティ教育の新たな試み
2023年1月13日、北海道・苫小牧市にある苫小牧工業高等専門学校にて、「日本シーサート協議会」による出前授業が実施されました。この授業は、KOSENサイバーセキュリティ教育推進センター(K-SEC)によるもので、全国の高専から集まった現役のセキュリティエンジニアが講師として参加しました。
出前授業の目的と内容
出前授業の目的は、情報系学生がサイバーセキュリティのスキルを身につけ、チームワークを学ぶことにあります。具体的には、CSIRT(シーサート)と呼ばれるセキュリティインシデント対策チームの構築や演習を通じて、学生が技術だけでなく人材育成の重要性も理解することを目指しました。
授業のスタートは、講師陣からCSIRTの役割についての座学でした。学生たちは、CSIRTが組織内でどのように機能するのか、また異なる組織間での情報の連携について学びました。座学では技術的な知識だけでなく、人材教育の大切さも強調され、学生たちは組織を支える力の重要性を再認識しました。
ボードゲームでの学び
授業の後半では、学生たちはボードゲームを通して実際のサイバーセキュリティインシデントへの対応をシミュレートしました。このゲームは、CSIRTのチームを育て、セキュリティインシデントに対処するプロセスを体験するものです。ゲーム中には、実際のインシデントや企業の人事異動など、リアルな出来事が再現され、参加した学生たちは「こんなインシデントがあるのか」と新しい学びを得ることができました。
車座での交流
ボードゲームの後、その場では車座を設け、セキュリティエンジニアたちと学生たちが直接交流する場面もありました。これは、社会人としての意識や生活について理解を深める貴重な機会となりました。先輩エンジニアたちからは、どのようにインシデントが発生した際に対策を講じるべきかといった話があり、特に個人情報漏洩の対応策についての具体例が印象に残ったようです。
参加した学生たちはこの出前授業を通じて多くの学びを得ており、「チームとしての協力の重要性を強く感じた」「質問もしやすく、楽しい時間を過ごせた」といった感想が寄せられました。
参加者への教材寄贈
出前授業の後日、NCAからの贈呈として、NCA人材育成ワーキンググループが執筆したセキュリティエンジニアの教科書が参加校の教員に配布されました。これは、講義内容の補完ともなり、今後の教育への親和性を高めるものです。
これからの苫小牧高専
苫小牧高専は、様々な専門分野の教育を提供しつつ、次世代技術者の育成に力を入れています。特にこれからはデジタル産業や半導体産業のニーズに応えるカリキュラムを導入し、学生たちが社会に出た際に即戦力となるような教育を目指しています。
このように、苫小牧高専の出前授業は、単なる知識の提供にとどまらず、実践的な体験を通じて学生たちの成長を促す大変有意義な取り組みとなっています。今後もK-SECを中心に、全国でサイバーセキュリティ教育の推進が期待されます。