日本初!キャビア生産
2025-09-01 16:32:47

メス化したシベリアチョウザメからのキャビア生産技術が日本初の成功

メス化したシベリアチョウザメがもたらす新たな可能性



近畿大学水産研究所の研究チームが、日本初となる画期的な成果を発表しました。この研究は、オスのシベリアチョウザメ(Acipenser baerii ssp. baerii)をメス化し、その個体から成熟卵を採取・ふ化することに成功したものです。これにより、キャビアの生産が効率的に行える技術が確立される可能性が広がっています。

成果の内容


このプロジェクトは、和歌山県新宮市に位置する近畿大学水産研究所新宮実験場で行われ、准教授の稻野俊直氏や助教の木南竜平氏を中心に進められました。彼らは、性転換を経たシベリアチョウザメから採取した成熟卵がオス(ZZ)であることを確認し、これがキャビア生産に寄与できることを世界で初めて証明しました。これによって、従来のメスのみからのキャビア生産に頼ることなく、オスからもキャビアが得られる道が開かれました。

研究の背景


シベリアチョウザメは、ユーラシア大陸に広く分布し、水質変化にも強く、養殖の安定性から世界中で多く飼育されています。通常、この魚はZZ型(オス)とZW型(メス)の性決定様式を持ちますが、オスからの卵採取が課題となっていました。このプロジェクトは、その解決策として性転換技術に着目しました。

性転換技術の進展


近畿大学での実験は、2017年に始まりました。さらに、自然餌に女性ホルモンを与え、2019年にはオールメス化に成功。その後、7年を超える飼育期間を経て、成熟卵の生成が確認されました。ここから得られた卵は、他の精子と授精され、ふ化の成功が確認されたのです。これにより、オスでもキャビアの生産が可能な方法が確立されました。

今後の展望


この研究成果は、大きな一歩であると同時に、さらなる挑戦を意味しています。オスをメス化しての採卵に成功しましたが、全体の効率を高めるためには、全メス種苗の生産が必要です。研究チームは、今後、大豆イソフラボンを用いた新たな技術や酵素処理大豆粕を用いることで、全オスからのキャビア生産を目指しています。

専門家のコメント


稻野准教授と木南助教は、それぞれのコメントの中で、日本国内でのチョウザメ養殖の進展に期待を寄せています。稲野氏は、「技術が産業に実装され、オスが廃棄されることのない環境を実現したい」と語り、木南氏は、「安全・安心なメス化技術の確立が今後の鍵になる」と述べています。これらの成果は、チョウザメに新たな産業価値をもたらし、持続可能な養殖の実現に向けた重要な礎となることでしょう。

用語解説


  • - 供試魚:試験や実験に使用される魚のこと。
  • - 酵素処理大豆粕:大豆粕を酵素で加水分解し、栄養価を高めたもの。

この研究の詳細や取り組みは、近畿大学水産研究所の公式サイトで紹介されています。今後もこの研究成果に期待が高まります。


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学校法人近畿大学
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