子どもの性被害を防ぐための新しい視点
子どもの性被害予防に関する日本初の保護者向け書籍『子どもを守る新常識性被害 セーフティガイド』が、株式会社東洋館出版社から2025年1月16日に発売される。この書籍は、保護者や周囲の大人が子どもを守るために必要な知識を提供することを目的としている。
知識が最大の防御
本書では、子ども自身が性被害から身を守る方法は取り上げない。このアプローチは、被害に遭った場合に「自分の力が足りなかったのか」と子どもに思わせるリスクがあるからだ。どのような状況でも、子どもが被害者であることを忘れずに、保護者が知識を増やすことが求められる。
昨今、SNSやメディアを通じて性被害のニュースが流れ、親たちの不安は高まるばかり。しかし、包括的なガイドが手元にないことで、多くの保護者は不安を抱えることになる本書が、安心な手引きとなるだろう。
「消化しきれない不安が重なる中で、ゆっくりと学んでいけるペースの本を提供したい」と著者ははじめに記している。だからこそ、本書は「子どものからだの安全を守る」ための最良の入門書となっている。
重要なテーマと内容
本書で扱われているテーマは多岐にわたり、以下のような内容が含まれている。
- - 子どもの性被害の実態
- - グルーミングの手法とは
- - 子どもを預ける際の注意点(ベビーシッターや習い事)
- - 中でのルールの組み立て方
- - インターネット利用の注意点
- - プライベートパーツとその重要性
- - 性への興味と性被害のサインの見極め
- - 感情を言葉にすることの大切さ
- - 同意に関する教育
- - 子どもが被害を訴えたときの対応
これらのテーマは、具体的な実例を交えて理解しやすい形で記載されており、親が実生活で役立てやすい内容となっている。
日常生活での積み重ねが重要
具体的なケーススタディも本書には含まれており、日常の中でできる予防策が示されている。たとえば、子どもを公園で遊ばせる際は、保護者同伴で状態を確認することが大切だ。相手の保護者とのコミュニケーションも重視し、お互いの信頼を築くことから始める。
また、不適切な画像を見てしまった際には、叱らずに「見てしまったことを教えてくれてありがとう」と感謝の声をかけ、安心して間違いを学べるよう導くことが求められる。
更には、子どもが報告してくれた時にはまず感謝し、問題の解決に向けて共に考える姿勢が重要だ。これらの対応が、子ども自身の安全意識を高める役割を果たす。
専門家の監修と推薦コメント
本書は、アメリカでの原書に基づきつつ、日米間の文化や社会の違いを考慮した専門家の監修が入っている。立正大学教授やITジャーナリスト、産婦人科医など、各界の有識者が執筆のサポートを行っている。
また、著名人からの推薦も数多く寄せられ、子どもを守るための必読の書であると評価されている。エッセイストの犬山紙子氏は「知らなかった具体的な方法がたくさんあり、必読」と述べている。
書籍の詳細
本書の著者は、キンバリー・キング。教育学の専門家であり、児童性被害防止活動に従事している人物だ。彼女の経験と専門知識が詰まったこのガイドブックは、出発点として最適な一冊である。
書名:子どもを守る新常識性被害セーフティガイド
著者:キンバリー・キング
訳者:栗田佳代
判型:四六判
頁数:224
発売日:2025年1月16日
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-491-05669-2
発行元:東洋館出版社
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