右手で切り開くカスタマーサポートの未来
株式会社RightTouchが、シリーズAラウンドで約8億円の資金調達を行い、累計調達額が14.2億円に達しました。今回の資金調達にはグローバル・ブレイン株式会社やGMOインターネットグループなどの投資家が参加し、さらなる成長へ向けた基盤を強化しました。
同社は、カスタマーサポート領域に特化したSaaS企業であり、「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」というミッションを掲げています。その実現に向けて、2022年にリリースしたWebサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」を中心に、複数のプロダクトと生成AIによる機能群を展開してきました。
顧客体験の最適化
RightTouchの提供するプラットフォームは、顧客の行動をリアルタイムで解析し、適切なチャネルへの誘導を実現します。これにより、顧客対応に伴う企業内の業務フローを最適化し、多くの顧客接点をつなげています。その結果、カスタマーサポートの課題解決と価値創出を実現する「コンパウンド型」の戦略を推進しています。
特に金融業界を皮切りに、製造業や旅行業、通信業など多岐にわたる業界に展開しており、SBI証券やNTTドコモといった大手企業にも導入されています。RightTouchが実現した自己解決件数は、2023年と比較して約15倍に増加しており、毎日約3万件の消費者の問題を解決しています。
生成AIの活用拡大
カスタマーサポート市場は、約3.1兆円ともされ、その中で生成AIの進展が変革を引き起こしています。これまで多くの企業は受動的な顧客対処に依存していましたが、RightTouchの技術により「攻めのサポート」が可能となり、顧客体験を向上させることが期待されています。
RightTouchは今回の資金を通じて、新プロダクトの開発や生成AIを活用した新たなカスタマーサポートの基本データ基盤の構築に注力する計画です。これにより、さらなる事業展開が加速されることが予想されます。
投資者の期待
投資家からも期待が寄せられ、グローバル・ブレインの細村さんは、RightTouchが持つ「問い合わせ前行動解析」の技術が顧客の自己解決を促進し、コンタクトセンターとの連携が可能になる点を評価しました。また、GMO VenturePartnersの村松さんは、RightTouchが生成AIを活用して顧客体験と業務効率を同時に向上させる重要な存在であることを強調しています。
今後の展望
RightTouchは、今後のビジョンとして、カスタマーサポート市場においてのさらなる革新を目指しています。同社の代表者は、「我々はWebサポートから音声、VoC領域の統合までを通じて近未来のビジョンを実現します。そして、あらゆる生活者と企業のコミュニケーションを円滑にすると同時に、サポート体験を社会インフラへと昇華させていくことを目指します」と語ります。
今回の資金調達を背景に、RightTouchはカスタマーサポートの未来をますます明るく照らし出していくことでしょう。オンラインイベントも計画しており、さらに多くの人々にそのビジョンを伝えていく予定です。興味のある方はぜひ参加してください。