建設関連業者の現状:測量業20年連続減少、コンサルタントは横ばい
建設関連業者の現状:令和5年度末の登録状況
国土交通省が発表した令和5年度末の建設関連業に関する資料には、測量業、建設コンサルタント業、地質調査業の登録業者数の変動がまとめられています。これによると、特筆すべき点は測量業が20年連続で減少していることです。また、建設コンサルタント業と地質調査業は、おおむね横ばいの状況が続いています。
減少を続ける測量業
令和5年度末における測量業の登録業者数は11,313業者です。近年、この業界は苦境に立たされています。新規登録が267業者であるのに対し、登録の消除が431業者と、明らかに登録業者数が減少しています。これにより前年度比で164業者(1.4%)の減少となりました。平成15年にはピークの14,750業者を記録したものの、それ以来、減少の一途を辿っています。この傾向は建設業界全体における需要の変動や業界の構造変化とも関連していると考えられています。
暗雲を漂わせる建設コンサルタント
次に、建設コンサルタント業の業者数は3,932で、ここでも新規登録は233業者、登録消除は232業者とほぼ同数です。前年度比でわずか1業者(0.03%)の減少に留まっており、比較的安定した推移を見せています。過去のピークは平成17年の4,214業者でしたが、現在はその水準には達していません。この状態は、公共事業や建設プロジェクトの発注量に影響を受けるため、今後の市場動向が注視されます。
地質調査業の動向
地質調査業に関しては、登録業者数は1,230業者で、この分野もおおむね横ばいの状況を示しています。新規登録がわずか12業者、登録消除が39業者と、こちらも登録数が減少していますが、全体的な数値は比較的安定していると言えます。過去のピークである平成17年の1,390業者に対し、現状はその数におおよそ近い状態を維持しているため、一定の需要は存在していると考えられます。
資料を通じて思うこと
このような統計データから、測量業は長期的な視点でみると明らかに過去の繁栄から遠ざかっている傾向が見受けられます。経済の動向や公共事業の資金削減、技術の進歩によるプロセスの変化など多様な要因が影響しているのでしょう。建設コンサルタント業や地質調査業は横ばいとはいえ、今後の市場需要を見越した戦略の練り直しが求められる時期に来ていると思われます。
国土交通省では、これらのデータを基に今後の業界戦略を検討するとともに、業界を活性化させるための様々な施策を模索する必要があります。業界関係者が連携し、持続可能な発展を目指す取り組みが強く求められています。