碁石埼灯台を巡る有識者検討会、その未来への期待
2025年8月28日、岩手県大船渡市の碁石埼灯台を中心に、有識者検討会が行われました。この活動は「海と灯台プロジェクト」の一環として、日本財団が支援するものです。目的は、新たな観光資源としての碁石埼灯台の活用と、周辺地域の振興を図ることにあります。
有識者検討会の概要
今回の検討会では、「灯台×郷土の偉人×漁業の礎」というテーマで、各分野の専門家が一堂に会しました。参加者は、大船渡市の商工港湾部や海上保安部、歴史文化研究会など、多様なバックグラウンドを持ったメンバーで構成されています。
検討会の開会にあたり、大船渡市商工港湾部の古内弘一次長が挨拶。碁石埼灯台は1961年の点灯以来、地域の漁業を見守ってきたという重要な役割を果たしていることを強調し、地域全体の観光振興へと繋げたいと期待を語りました。
灯台の歴史と地域の偉人
釜石海上保安部の佐藤専門官は、碁石埼灯台の歴史と日本の灯台の歩みについて説明を行い、これまでの灯台の役割を振り返りました。また、氣仙歴史文化研究会の甘竹勝郎会長は、水上助三郎氏について触れ、彼が地域の漁業にとって灯台のような存在であったことを述べました。
ワカメ養殖の先駆者として名を馳せた小松さんは、父の功績とその背景について語り、さらに、現在のワカメ養殖漁業の現状なども紹介されました。
次回のワークショップと教育・体験プログラム
検討会では、次回のワークショップに向けて意見をまとめ、さらなる調査を行うことが決定しました。灯台、郷土の偉人、漁業の繋がりを深掘りし、碁石埼灯台の利活用に向けて具体的な計画を検討します。
また、親子向けの教育・体験プログラムも10月に予定されており、地域の海の記憶を学ぶ機会が提供される予定です。この取り組みによって、碁石埼灯台が地域振興や観光資源としてどのように機能していくのか、今後の進展が大いに期待されます。
碁石埼灯台とは
碁石埼灯台は、リアス式海岸の美しい景勝地・碁石海岸の突端に位置する灯台で、太平洋を見渡す絶景スポットでもあります。灯台は航行する船舶の安全を守るために設置されており、現在では周囲が公園として整備されています。訪問者は遊歩道からアクセスし、灯台に近づくことができます。
碁石埼灯台利活用コンソーシアムの活動
このプロジェクトを支える碁石埼灯台利活用コンソーシアムは、灯台の利活用を通じて地域の観光振興を目指しています。地域に根ざした取り組みを進める中で、新しい海洋体験を創出し、訪れる人々に感動を与えることを目指しています。
これらの活動を通じて、碁石埼灯台が地域にとってどのような価値を生むのか、そのプロセスの進展に注目が集まるところです。地域振興だけでなく、訪問者にとっても新たな出会いや経験が提供されることを期待したいと思います。