日立市産業祭で進化する接客方法
先日、茨城県日立市で開催された第46回日立市産業祭において、アバター遠隔接客サービス「KSIN(けしん)」が注目を集めました。このイベントでは、同サービスを用いた「アンケート型プロモーション」の実証実験が行われ、来場者からの意見収集やPR効果を検証しました。
アバターサービス「KSIN」とは?
「KSIN」は、株式会社ユニキャストが開発したアバター接客サービスです。このサービスは、デジタル・サイネージを用いて来場者とAIエージェントが自然な会話をすることを可能にします。日立市産業祭での実証実験では、AIエージェントが来場者に音声で呼びかけ、意見を集めるという新しい試みが行われました。
イベントの様子
日立市産業祭には、多くの来場者が訪れ、地元の新鮮な野菜や魚介類が展示販売されるなど、地域の特色が色濃く表れていました。また、来場者数239名のうち、131名がAIエージェントとの会話に参加し、回答率は54.8%という高い数字を記録しました。特に、親子連れの来場者が多く、親が子供にAIエージェントとの会話を促すといった温かい光景も見られました。
収集された意見と関心の高いテーマ
来場者からは、交通渋滞に関する意見が多く寄せられ、その悩みの深さが浮き彫りになりました。また、少子高齢化や脱炭素化、医療・介護に関するさまざまな意見も交わされ、地域社会が抱える複雑な課題が浮かび上がりました。AIエージェントは、これらのテーマに関連する情報を提供し、より深い理解を促しました。
実証実験の成果と今後の課題
実証実験の結果、フォトリアルなアバターと生成AIによる自然な会話の融合が、効果的なマーケティング手法であることが確認されました。来場者との音声対話はおおむね正確に行われ、臨機応変に会話を進めることもできましたが、さらなる自由度が求められる場面もあり、次回以降の改善点として挙げられました。加えて、KSINは無人で運用でき、店舗やイベントの入り口などに設置可能なため、デジタルマーケティングの新たなチャンネルとしての活用が期待されます。
ユニキャストの今後の展望
ユニキャストは、今後も人とロボットの協働を通じた新しい価値の創造を目指します。「アンケート型プロモーション」だけでなく、公式アプリの登録支援や自治体業務支援など、幅広い提案を行い、社会課題の解決に寄与していく方針です。こうした取り組みを通じて、コミュニケーションの未来を切り拓いていくことが期待されます。
まとめ
今回の日立市産業祭における「KSIN」の導入は、地域の人々との接点を新たに創出する試みとして、非常に重要な一歩となりました。今後、デジタル技術がどのように地域社会と結びつき、活用されていくのか、目が離せません。