敦賀市長と高校生の哲学対話が描く新しい「海」と未来の可能性
2025年12月14日、福井環境研究開発が主催した「ざわザワ高校 ~海の未来をつなぐ哲学~」の第8回授業が敦賀市役所で開催されました。この特別な授業において、敦賀市長の米澤光治さんがゲストとして参加し、高校生たちとの哲学的な対話が行われました。
講師陣と参加者
このイベントには、ジャーナリストの堀潤さんが学級委員長として参加し、哲学者の岩内章太郎さんもサポート役を務めました。高校生6人が集まり、未来に向けての様々な問いを深める機会となりました。この哲学対話は、海を通じて人間のつながりを探求し、次世代へ美しい海を引き継ぐことを目的とした「日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
哲学的な問いの深掘り
授業の前半では、参加者たちが市長に対してどのような問いを投げかけるべきか議論しました。哲学講師である岩内さんは、「問いは思考を促すものであり、即答できるような簡単なものは避けるべきだ」と強調。高校生たちは「市長が市長を選んだ理由」や「新幹線開業後の影響」、「海とは何か」といった様々な疑問を提起しました。その中で選ばれたのが「市長にとっての海とは」という問いでした。
市長の米澤さんは、「ヨネリン」という親しみを込めた名前で呼ばれることを選び、生徒たちとの対話に臨みました。生徒が「ヨネリンさんにとっての海とは何ですか?」と尋ねると、市長は「敦賀の海は私の原体験にも影響を与え、世界との接点を感じさせる場所」と答えました。また、「海がもたらす豊かさ」についても意見を交換し、物質的・精神的な豊かさに関しても言及しました。
市長からの問いかけ
授業の後半には、市長から生徒たちに「未来についてどう考えるか」という問いが投げかけられました。具体的には、「地球温暖化が問題視される中、50年後の未来に向けて行動する責任があるか?」という質問です。生徒たちは、今できることを実行すべきとの意見や、科学技術で問題が解決する可能性があるという見解を表しました。市長は未来への判断が常に不確かであることを認めつつ、行動の重要性を説きました。
このような対話を通じて、生徒たちは自らの考えを整理し、「未来は自分で考え決断することが大切」といった意識を持ちました。市長も「普段意識していなかった思考を可視化できた」と振り返り、高校生との対話の価値を感じていました。
参加者の感想
授業終了後、多くの参加者から感想が寄せられました。学級委員長の堀潤さんは「学生たちが問いを通じて深められた姿勢を嬉しく思っています。市長との対話が良い刺激になったと思います」と語りました。哲学講師の岩内さんも、「問いの強度の大切さを再認識できた」と語り、今回の対話が実のあるものだったことを強調しました。
最後に市長の米澤さんは、「多様な意見を持つ若者たちと一緒に未来を考えていける貴重な機会だった」と感謝を述べました。参加した高校生たちも「失敗を恐れずに行動することが未来への道だと思った」と、今後の計画に思いを馳せていました。
探求の旅は続く
「ざわザワ高校」が掲げる目標は、海や沿岸地域の新しい可能性を掘り起こすことです。今回の授業を通じて、「海」と「未来」というテーマを扱い、高校生の視野を広げました。これからも多様な人々との対話を通じて、海の持つ可能性を引き続き探求していく姿勢が伺えます。
主催団体である一般社団法人福井環境研究開発では、海を親しむ心を育て、地域の未来に向けた取り組みを進めています。興味のある方は、ぜひ公式ウェブサイトを訪れてみてください。
福井環境研究開発公式サイト
さらに日本財団「海と日本プロジェクト」も、海の未来を見据えた活動を展開中です。こちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
海と日本プロジェクト公式サイト