メタバースで体感!「鴻池組旧本店」
株式会社鴻池組が新たに展開したメタバースプロジェクトが、国登録有形文化財「鴻池組旧本店」の魅力を広めることにつながっています。このプロジェクトは、メタバース技術を駆使して、一般の人々が自宅にいながらにして貴重な文化財や歴史を体験できる新しい形のデジタルアーカイブを提供します。
専用アプリで簡単アクセス
鴻池組は、iOSとAndroid向けの専用アプリを開発しました。このアプリを使用することで、鴻池組旧本店やその歴史展示をバーチャルに訪れることができます。アプリは
こちらからダウンロードできます(iOS版)、
こちらから(Android版)。
開発の背景とプロセス
このプロジェクトは、鴻池組社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)ワーキンググループによって始まりました。2022年にメタバース技術に関するリサーチをスタートし、2024年4月には株式会社ファンタスティックモーションと共同で本格的な開発を進めました。アプリの公開を通じて、より多くの人々が鴻池組のメタバース空間にアクセスできるようになったのです。
メタバースで再現された主な施設
このプロジェクトでは、主に以下の二つの施設がメタバース上で再現されています:
1.
鴻池組旧本店(国登録有形文化財)
- 洋館の2階にある応接室が忠実に再現され、歴史的背景や建物のデザインを楽しめます。
2.
本社技術研究所大阪テクノセンター「ヒストリーラボ」
- 旧本店の外観や応接室が現代技術で再現されたエリア、さらには多様な歴史展示が行われています。
インタラクティブな体験と特徴
利用者は自分のアバターを使って、仮想空間内を自由に歩き回り、音声や視覚で直感的なインタラクションを楽しむことができます。このような体験は、従来の方法では味わえない感覚を提供し、歴史的建造物のデジタルアーカイブによって、訪問者はその場に実際にいるかのように感じることができるのです。また、将来的にはヘッドマウントディスプレイにも対応し、さらなる没入感を得られる予定です。
ナビゲーター「こうちゃん」
さらに、鴻池組のメタバースには、デジタルキャラクター「こうちゃん」が案内役を務めています。こうちゃんは、社員のアイデアから生まれたキャラクターで、鴻池組のESG経営に関する様々な取り組みにも登場しています。
社会的意義
このメタバースプロジェクトには、単なる体験を超えた社会的意義があります。それは、新しいコミュニケーションの場を提供し、人々が物理的な距離を超えてつながり、教育の新たな機会を創出することに寄与します。文化や歴史遺産のデジタル化によって、広く共有されることで、文化の保存と普及が促されるのです。
今後の展望
鴻池組では、このメタバースを日常業務に取り入れることで、より良い働き方を推進していく方針です。今後の取り組みとして、鴻池組旧本店の和館の公開(2025年度中目標)、BIM/CIMデータを活用した業務打ち合わせ、さらにはヘッドマウントディスプレイを用いたリアルな体験の提供などが挙げられています。
メタバースを通じて、文化財や歴史を多くの人に体験してもらい、鴻池組の優れた技術と伝統を広く伝えることが期待されます。