東西化学産業、亜臨界水処理技術を活用した新サービス開始
東西化学産業株式会社が、最新の大型連続式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンAKT-1型」による受託試験サービスの開始を発表しました。この新技術により、亜臨界水技術の実用化がさらに加速することが期待されています。
株式会社はこれまで、小型のバッチ式装置「アクアイリュージョンSG-2・SCW-1」を用いて試験事業を行っていましたが、新たに追加された大型装置では、より大規模なデータ収集が可能になります。これにより、研究機関や企業にとって貴重なデータが得られ、亜臨界水技術のさらなる発展が期待されています。また、同世代の亜臨界水処理技術は、食品業界や環境技術など、多くの分野で今後の可能性を秘めています。
亜臨界水技術とは?
亜臨界水技術は、特定の温度と圧力下で水を利用して、さまざまな物質の分解や濃縮を行う技術です。通常は水が沸騰する100℃でなく、120℃以上の条件下で水を利用することで、加水分解能力を最大限に引き出します。これによって、脂溶性成分の抽出や有機物の解体が可能になり、特に食品関連や環境分野での応用が期待されています。
亜臨界水技術の利点
亜臨界水を使用した抽出では、一般的な有機溶媒を必要とせず、乾燥や破砕の工程が不要であるため、処理が格段に簡潔に行えます。植物細胞に含まれる有効成分が利用されやすくなり、医薬品や健康食品としての価値も高まります。
受託試験サービスの意義
新たに始まる受託試験サービスは、亜臨界水技術を活用した研究開発を行う企業や研究機関にとって大きな助けとなるでしょう。特に、日本国内ではベンチプラントの設計技術やノウハウが不足しているため、この新サービスが実用化に向けた一助となると期待されています。企業側としても、技術を広めることで新たなビジネスチャンスを見出すことが可能です。
実績紹介
東西化学産業の技術開発センターでは、すでにいくつかの実績があります。例えば、蚕繭からのセリシンやフィブロインの分離回収や、甲殻類からのキチン抽出といった試験が行われており、亜臨界水技術の実用化の可能性は広がっています。
さらに、使用済みPETボトルの処理によって高純度のテレフタル酸を回収する試験も実施されており、ケミカルリサイクルとしての価値も評価されています。
お問い合わせと今後の展望
受託試験に関する詳細は、東西化学産業の公式サイトから確認することができ、その問い合わせフォームからサービスの依頼が可能です。今後もこの分野での技術革新が求められ、亜臨界水技術が新たな可能性を開くことが期待されています。
会社情報
商号:東西化学産業株式会社
所在地:大阪府大阪市中央区
代表者:河野祐一
設立:1964年6月
公式サイト:
東西化学産業