地方企業支援の成功事例
2024-05-16 09:50:54
福岡企業が地方創生に貢献!産学官金連携で事業承継と組織拡大を支援
福岡企業が地方創生に貢献!産学官金連携による事業承継支援の成功事例
地方企業の課題と天神経営の取り組み
近年、日本の多くの企業、特に中小企業は、高齢化による後継者不足や人材確保の困難さに直面しています。この問題に対し、福岡市に拠点を置く株式会社天神経営は、金沢大学を中心とした産学官金連携プログラムに参画し、石川県加賀市にある伝統的な金属加工会社である新家製作所の事業承継後の組織拡大を支援しました。
新家製作所は、2020年に山下氏への第三者承継を実現した後、従業員数を10名から20名へと倍増させることに成功していましたが、ベテラン社員からの技能承継、若手・中堅人材の確保、そして人事業務の経営者依存からの脱却という新たな課題を抱えていました。
天神経営は、代表取締役の角田紘一氏が研究員としてプログラムに参加。独自のフレームワークを用いた事業・組織診断と全社員への面談を実施し、現状を詳細に分析しました。診断には、中小企業向け組織診断ツール「TASS」も活用されました。
ジョブ型定置網採用戦略
分析の結果、人材確保を最優先課題と位置付けた天神経営は、「ジョブ型定置網採用戦略」を導入しました。これは、金属加工の各工程・業務を明確に定義し、職務に応じた人材獲得を目指す戦略です。オンライン求人媒体を活用し、求人情報の改善を繰り返すことで、継続的に求職者へアプローチし、応募数を大幅に増加させることに成功しました。
成果と関係者のコメント
この取り組みは大きな成果を挙げました。新卒2名、中途採用3名の採用を実現し、応募者数は支援前の半年間と比較して2.5倍に増加しました。さらに、人事制度の整備や就業規則の改定なども行われ、人事業務の経営者依存からの脱却も進みました。
山下社長は、「若手人材の採用や人事関係の仕組みの整備が進み、今後の成長に向けた体制の基礎を築くことができました。社員間の交流も活発になり、組織の自律的な動きにつながりました。」と、このプログラムへの高い評価を示しました。
角田社長は、「ものづくりの現場に関わりながら、自分の取り組みを見つめ直すことができました。半年間、社員とともに働きながら課題解決に取り組むことで、当事者意識を持って業務にあたることができました。」と述べ、現場での経験が自身の成長につながったと語っています。
今後の展望
天神経営は、このプログラムの成果を踏まえ、北陸地域におけるビジネス展開をさらに加速させ、地方創生に貢献していく方針です。加賀地方への拠点を維持し、地域の持続可能な発展に貢献していくことを表明しています。
この事例は、産学官金連携による地方企業支援の有効性を示す成功事例と言えるでしょう。天神経営の取り組みは、地方企業の事業承継と持続的な成長を目指す上で、重要な示唆を与えてくれます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社天神経営
- 住所
- 福岡県福岡市中央区天神1-9-17福岡天神フコク生命ビル15F
- 電話番号
-
092-717-3432