新たな試み「ソーシャルXインパクトファンド」誕生
株式会社ソーシャル・エックス(東京都)は、株式会社北國フィナンシャルホールディングス(石川県)傘下のQRインベストメントと手を組み、「ソーシャルXインパクトファンド」を設立しました。このファンドは、休眠預金を活用して社会課題解決に向けたインパクトスタートアップの支援を目的としています。特に、官民共創を重要視し、実証実験を通じてステークホルダーを巻き込む新しい形の支援を模索しています。
ファンドの設立は、今年2023年の休眠預金等活用法改正を受けたもので、ファイナルクローズは2025年12月末を予定し、最終的には10億円の資金調達を目指しています。これにより、社会課題を解決するための企業に向けた資金の流れを確保し、実行に移すことが可能となると期待されています。
社会課題解決を目指して
社会課題の解決は、国内外で重要なテーマとなっており、これまでの支援方法は多くの場合、公的機関の資金に依存していました。しかし、ソーシャル・エックスは、民間主導の取り組みで「お金」のデザインの必要性を強く感じ、この新しいファンドを立ち上げました。特に、官民共創の視点から進めるプロジェクトは、地域の特性やニーズを反映した形での支援を実現します。
ファンドによる資金提供だけではなく、伴走支援の仕組みも特徴的です。具体的には、社会課題解決型のスタートアップが自治体と共に実証実験を進めることで多くの共感を生み出し、事業成長を促進することができます。これにより、投資家が求めるリターンと、社会的なインパクトの両立を図ることができます。
具体的な支援内容
「ソーシャルXインパクトファンド」は、様々な社会課題を対象に、自治体との共創による実証実験を実施します。特に重点を置く分野は、教育、健康、福祉、防災、エネルギーなど多岐にわたります。ファンドは、必要に応じた資金提供をし、加えてインパクト測定・管理(IMM)を通じて、事業の社会的意義と実行可能性を高めていきます。
アンカーLPの参加
ファンドには、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)、株式会社北國銀行、一般社団法人みとよAI社会推進機構が参加しており、この多様なバックグラウンドがさらに強力な支援網を築いています。これにより、各団体の持つノウハウやネットワークを活かした実践的な支援が期待されています。
ファンドの未来
このファンドが成功を収めれば、地域社会における課題解決のモデルケースとしての役割も果たす可能性があります。官民共創を通じたこの取り組みは、事業と社会的リターンの双方を追求する点で新しいスタンダードを生み出すことが期待されます。厳しい社会情勢の中でも、地域の声を基にした持続可能な未来を見据え、関係者一丸となって取り組むことが求められています。
社会課題解決とビジネスの両立を目指す「ソーシャルXインパクトファンド」は、その実現に向けて新しい一歩を踏み出しました。ファンドを通じて、将来的に確立されるエコシステムの構築が待ち望まれます。