コロナ5年間のSNS投稿分析
はじめに
2020年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は、私たちの社会生活に多大な影響を与えてきました。株式会社hashoutは、自社のSNS分析サービス「ポスとる」を用いて、X(旧Twitter)における「コロナ」というキーワードに関する投稿データを2019年12月から2025年4月まで分析しました。本記事では、その分析結果を元に社会の変化を振り返ります。
調査概要
調査の対象は、約1億件以上のX上の日本語投稿で、特に「コロナ」という用語が含まれるものです。分析に際しては、月別に投稿件数を集計し、その変動と関連づく社会的な出来事を考察しました。
投稿件数の推移
グラフから見て取れる通り、2020年の3月から4月にかけて投稿件数が急増し、4月には約925万件に達しました。この急増は、日本国内で初めて緊急事態宣言が発令された時期と一致しています。その後も、感染の波やワクチン施策に伴い、投稿件数は大きな波を描いて変動しました。
投稿件数急増の背景
2020年に入ると、「コロナ」に関連する投稿数は急激に上昇し、政府の対応や感染状況に対するSNSの関心が日々変化していきました。具体的には:
- - 2020年1月:武漢での感染拡大が報道され、「中国での新型ウイルスが心配」といった懸念の声が広がりました。
- - 2020年2月:横浜のクルーズ船における感染例が影響し、目に見える感染リスクへの批判が相次ぎました。
- - 2020年3月:WHOがパンデミックを宣言し、全国的なイベントの自粛や学校の臨時休校が始まり、多くのハッシュタグが登場しました。
- - 2020年4月:初の緊急事態宣言発令後、「買い占め」や「テレワーク」に関する投稿が増加し、SNSが社会の意見を反映する場となりました。
投稿内容と感情の変遷
投稿の中身も、年ごとに大きく変化を見せました。年ごとの主な投稿ワードと感情の傾向は以下の通りです:
感情:不安・混乱・怒り
感情:経験共有・注意喚起
感情:冷静・諦観・順応
- - 2023年以降:#ノーマスク / #コロナ禍終了
感情:解放感・前向き
このように、SNSは単なる感染情報の拡散にとどまらず、ユーザーの感情や社会の空気感をリアルタイムで反映してきました。
市民の声
投稿例としては、
- - 「近くのドラッグストア、マスクが全然売っていない」
- - 「オンライン飲み会、意外と楽しい」
- - 「職域接種終わった!副反応でないといいな」
- - 「久々の通勤、まだマスクなしは怖い」
といった日常の声が挙がっています。
現在の投稿状況
2021年から2022年にかけてはワクチン接種が進む中、投稿件数は減少傾向に。2023年は政府の「5類移行」にのっとり一区切りが付きました。2024年には一部地域で再拡大し、一時的投稿増加が見られましたが、2025年現在では「コロナ」という言葉の投稿はピーク時の1%未満にとどまっています。現在は「生活様式の変化」や「コロナ前後の比較」といったキーワードでの言及が主流になっています。
まとめ
「コロナ」というキーワードがSNS上でいかに語られてきたか、投稿件数と内容の推移を分析することで、社会の変化を定量的に捉えることができました。今後もhashoutは、SNSのデータを通じて様々なキーワードの“見える化”を進めていく所存です。
会社情報
株式会社hashoutは、SNSの効果測定や分析に特化した企業で、様々なデジタルプロモーション支援を行っています。