保育士のキャリア不安、雇い止め問題が浮き彫りに!
名古屋市で1200人規模の保育士が雇い止めになる可能性が報道されたことを受け、保育士のキャリアに関する不安が高まっています。株式会社明日香が運営する「子ねくとラボ」は、勤続年数3年以上の保育士や幼稚園教諭115名を対象に、保育士・幼稚園教諭のキャリアと保育現場の現状に関する実態調査を実施しました。
調査結果によると、約2割の保育士が過去3年間で園児数の減少を経験しており、今後3年間でも約3割が園児数の減少を予測しています。勤務先の廃園に備え、42.6%が「同じ地域の他の保育園や幼稚園で働く」、31.3%が「認定こども園に転職する」と回答するなど、キャリア転換を検討する声が上がっています。
保育士のキャリア継続に対する不安要因として、最も多かったのは「給与水準が上がらない」で47.0%でした。続いて、「雇用の不安定さ」が14.8%、「少子化による保育需要の減少」が13.0%と、経済的な不安や雇用環境の不安定さが顕著に表れています。
保育の質向上に向けた取り組みとして、「保育者の待遇改善」を重要だと考える声が61.7%と最も多く、保育士の待遇改善が喫緊の課題であることがわかります。
保育施設では、多様な保育ニーズに対応するため、47.8%が「延長保育の実施」、33.0%が「外国籍の子どもへの対応」に取り組んでいます。
今回の調査結果から、保育士のキャリア継続に対する不安や、保育の質向上に向けた課題が浮き彫りになりました。保育士が安定したキャリアを築き、質の高い保育を提供できるよう、環境整備が急務です。
保育現場の現状と課題
近年、少子化の影響で保育施設の統廃合や事業者の倒産が相次いでいます。利用者から「選ばれる」ことが事業継続において重要な要素となっていますが、保育所は、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進する場所であるべきです。
保育者が安定した環境で保育の質向上に専念できることが、子どものウェルビーイング実現に繋がり、利用者から「選ばれる」という好循環を生み出すと考えられます。
保育士の待遇改善や雇用環境の整備など、外部の支援も含めた環境整備が求められています。