新紙幣がもたらすタンス預金への影響とその実態
最近、キャッシュレス決済が進化している中、新しい紙幣が発行され、全国の銀行窓口には両替を求める多くの人々が並びました。このタイミングで、登録者数63万人を超えるYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』を運営する税理士、菅原由一氏が、35歳から65歳までの男女を対象に実施した調査が注目を浴びています。この調査は、タンス預金と新紙幣についての実態を浮き彫りにするものでした。
アンケート調査の詳細とは
調査は2024年7月19日に行われ、インターネットを通じて実施されました。対象は35歳以上65歳未満の男女300人で、各性別150人からの有効回答を得ています。調査資料を引用する際は、「脱・税理士スガワラくん 調べ」と記載する必要があります。
調査結果の概要
タンス預金をしているかという質問に対し、41.7%の人数が「はい」と回答しました。その後、タンス預金の総額を尋ねたところ、最も多かった回答が「10万円未満」で27.2%。次いで、「10万円~30万円未満」が25.6%、「50万円~100万円未満」が16.8%、「30万円~50万円未満」が12.0%と続きます。この結果から、タンス預金を持つ人の約80%が100万円未満、さらに半数以上が30万円未満の少額であることが明らかになりました。
用途についても興味深い結果が出ており、調査対象者の72.0%は「万が一に備えたい」との理由を挙げ、次いで「自分の趣味や娯楽に使いたい」という意見も32.0%存在しました。珍しいのは、3.2%の人が「国に把握されたくない」と考えていたことです。
新紙幣の普及状況
7月3日に発行された新紙幣ですが、現時点でその流通は十分ではないようです。調査によれば、76.7%の人が「新紙幣を持っていない」と回答し、持っている人の中でも「まだ使っていない」という人が77.1%を占めていました。持っている人の中で使用したのはわずか20%にとどまっています。
新紙幣発行の背景と狙い
経済産業省は、キャッシュレス化を推進するため2025年までに決済比率を約4割、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしています。しかし、ここで新紙幣を発行する目的が浮かび上がります。それは、タンス預金を持つ人々を特定し、流通させることにあります。日本国内におけるタンス預金は実に100兆円を超え、その半分がタンスに眠っているとされています。この資産が動かされることで、経済を活性化する狙いがあります。
新紙幣によるリスク
新紙幣が発行される際、旧紙幣は引き続き使用できますが、過去の例から一度新紙幣が流通すると、徐々に旧紙幣は使われなくなります。この際、大量の両替を行うと、身分証明書が必要となり、その結果、銀行に預ける動機が生まれます。預金することで税務署に把握されることになるため、タンス預金の隠れた資産が暴露されるリスクが増します。
タンス預金のメリット・デメリット
タンス預金は、災害等の発生時や銀行の破綻に備える一方、セキュリティリスクが伴います。しかし実際には、利息が付かないためお金は増えず、価値が時間と共に減少する可能性があります。経済の状況や物価の動向に大きく影響されるのです。
最後に
新紙幣の導入は、タンス預金を持つ人に新たな選択を強い、資産運用を考える必要性が増していくことでしょう。タンス預金が多ければ税務調査のリスクも高まります。したがって、正しい申告や資産運用について真剣に考えるべきでしょう。今後の経済状況や政策の変化にも注目していきたいところです。