三河湾の残石に焦点を当てたシンポジウム開催
豊橋市で「第8回とよはしシンポジウム三河湾の残石-吉田城と名古屋城の石垣-」が、令和7年11月22日(土)に開催されることが決まりました。このシンポジウムでは、名古屋城が築かれた際に西尾市や蒲郡市の沿岸部で取り出された石材、通称「残石」に関する多くの情報が発表される予定です。参加費は無料で、事前の申し込みも不要、当日は先着600名様を受け付けます。
残石とは
「残石」とは、名古屋城の建設時に余剰として残った石材のことを指します。現在もその一部は豊橋市の吉田城址の石垣に使用されています。江戸時代に築造された吉田城の多くの石垣は、この残石を利用して作られており、その歴史的背景には多くの謎が秘められています。このシンポジウムを通じて、地域のシンボルである吉田城の石垣の利用方法や三河湾産の石材についての理解を深める機会となるでしょう。
検証される調査成果
シンポジウムでは名古屋市・西尾市・豊橋市の共同による最新の残石分布調査の結果も発表されます。この調査は令和6年度から取り組まれており、西尾市前島や沖島を中心に行われています。加えて、最近の調査を通して江戸時代初頭における吉田城の石垣構築の状況も新たに浮かび上がります。これにより、当時の技術や地域の石材の使用状況が明らかになるでしょう。
吉田城の発掘調査
吉田城の石垣に関するこれまでの研究は、主に刻印に基づいて行われてきましたが、令和4年度からは石垣の解体修理に伴う発掘調査も始まりました。この調査によって新たに発見された刻印は、吉田城の歴史をより深く理解する手助けとなります。今回のシンポジウムでは、こうした成果を基に江戸時代の吉田城における石垣構築の真実に迫ります。
参加方法と関連展示
シンポジウムへの参加は無料で、当日の受付で600名まで入場可能です。午前から開催されるため、公共交通機関を利用しての来場をお勧めします。また、シンポジウムに併せて豊橋市美術博物館でも関連した企画展示「石垣を解体(バラ)してわかったこと」が開催されます。この展示は2025年11月1日から12月7日まで行われ、観覧は無料です。さらに、博物館で行われる「石垣を解体して分かったこと」に関する講座も予定されており、参加者は非常に多様な学びの関心に応えることができるでしょう。
まとめ
「第8回とよはしシンポジウム」は、石垣の理解を深める絶好の機会です。また、豊橋の文化遺産である吉田城を通じて、地域の歴史や石材の重要性を再認識する場ともなります。是非多くの方々の参加をお待ちしております。