富洋海運グループによる兵機海運への要請
富洋海運グループは、兵機海運株式会社の約14.7%の株を保有する株主として、同社に対して必要な情報開示を求める姿勢を強く示しています。その背景には、兵機海運と大和工業グループとの資本業務提携に関する疑問が横たわっています。これまで、富洋海運は大和工業グループとの取引集中を長年リスクとして捉えてきた意味と、なぜリスクを増大させるような提携がなぜ行われたのか、株主としての合理的な情報が不足しているとの不満があるのです。
特に注目されるのは、富洋海運が行ったTOB(公開買付け)開始後に、突如として大和工業との取引が明るみに出たことです。これには株主にとっての投資判断に不可欠な情報が伴っておらず、富洋海運グループは、経営を透明にするため、情報の適切な提供を強く求めています。
情報開示の必要性
富洋海運グループは、情報開示の不十分さを受けて、以下の要点についての情報を明確にするよう要求しています:
1.
大和工業グループとの検討経緯:なぜこの提携が決定されたのか、その経緯が重要である。
2.
事業シナジー:両者の関係がどのような価値を生むのか。
3.
取引集中リスクへの影響:過去にはリスクとされてきた要素が、現在どのように評価されているか。
4.
企業価値向上策:提携により企業価値の向上が見込まれるのか、それを裏付ける情報。
5.
特別委員会の意見無視の理由:なぜ特別委員会の意見が聞かれなかったのか。
富洋海運グループは、経済産業省の指針に基づき、適切な情報の開示が行われることを望んでいます。これは、企業価値や株主の利益を確保するためだけでなく、取引の公正性や透明性を確保するためでもあります。
経産省の3つの原則
富洋海運が遵守している経産省のガイドラインには、企業買収における重要な原則が示されています。これには、企業価値・株主共同の利益の原則、株主意思の原則、透明性の原則があります。これらは買収の透明性を確保するために重要です。
富洋海運グループは、これらの原則に従い、他の取引や提携についても同様に透明性を重視し、株主に十分な情報を提供することを期待しています。特に、過去の報告書におけるリスク評価の変化については、株主に説明責任が伴います。
大和工業グループとの提携
兵機海運と大和工業グループとの提携に関しては、これまでの取引の記録と比較すると、特に株主にとっての重要な情報が欠如している状況です。このため、富洋海運グループは、透明な経営体制の中で株主の合理的な意思決定が行えるための情報の提供を求めています。
最後に、富洋海運グループはこれからも会社会社の透明性を求め、本来の株主利益を確保しましょう。