フルデプス、国産船底清掃ロボットの実機稼働を発表し脱炭素に挑む

国産船底清掃ロボットの実機稼働を公開

近年、海運業界において環境への配慮が求められており、業界全体の脱炭素化が急務となっています。そんな中、茨城県つくば市に本社を構える株式会社FullDepth（フルデプス）は、国産の船底清掃ロボットを開発。GX（グリーン・トランスフォーメーション）推進の一環として、その実機稼働を公開することが決まりました。

1. 高度な清掃性能を持つ船底清掃ロボット

この清掃ロボットは高い技術力に支えられ、従来の水中ドローン技術を応用して短時間で効率的に船底を清掃できます。実際に、商船三井の「さんふらわあぴりか」を利用した実機清掃演習が行われ、その映像は多くの関心を呼びました。ロボットは1時間で500平方メートルを清掃する能力を持ち、運航スケジュールに与える影響を最小限に抑えることができます。これにより、船舶の燃費を大幅に改善し、業界の持続可能性に貢献することを目指しています。

2. 燃費改善とCO2排出削減の実証実験

さらに、FullDepthはNAPA社との連携を通じて、清掃による燃費改善とCO2排出削減効果のデータを科学的に分析します。この検証により、清掃前後の運航データを基に燃費改善の透明性を高め、より高いサービス品質を船会社へ提供していく予定です。将来的には、清掃サービスと燃費モニタリングを組み合わせた新たな標準の確立を目指しています。

3. NEDO助成事業としての取り組み

このプロジェクトはNEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の助成を受けたもので、ロボット技術の更なる高度化と自動化が求められています。FullDepthは、海運業界の脱炭素化を進めるために、技術の進化を続けていくとしています。これにより、船底清掃ロボットの普及を進め、業界の生産性向上にも寄与する方針です。