大手電機・IT企業の離職率とワークライフバランス分析
株式会社エフペリが提供する人的資本データプラットフォーム「Career Reveal」において、2025年のデータを基にした大手電機・IT業界の離職率およびワークライフバランス(WLB)に関する調査結果が発表されました。本記事では、日立製作所、ソニーグループ、パナソニックHD、三菱電機、富士通、NECの6社を対象にした調査を基に、その実態を詳しく探ります。
離職率の現状
2025年のデータによると、電機・IT業界の主要6社の平均離職率は3.16%で、全産業平均の3.34%に対して依然として高い定着率を示しています。しかし、この差は年々縮小しており、業界全体としては流動化が進行中です。
1. 日立製作所: 2.4%(業界で最も低い)
2. ソニーグループ: 2.5%
2. 富士通: 2.5%
4. パナソニックHD: 3.3%
5. 三菱電機: 3.7%
6. NEC: 3.9%
全産業平均を上回る企業としては、NECや三菱電機が挙げられており、これは必ずしもネガティブな指標ではないとされています。このような企業は変革期の新陳代謝が進行しているとも言えるでしょう。
WLB施策の運用状況
離職率に関連しているのは、企業のワークライフバランス施策です。これは単に制度が存在するだけでなく、それが実際に運用されているかどうかが重要です。調査では、男性育休の取得率を基にしたデータが注目されました。
- - 男性育休取得率は企業によって異なり、次のようなランキングになっています:
- パナソニックHD: 89%
- 富士通: 86.2%
- 三菱電機: 85.7%
- ソニーグループ: 79%
- 日立製作所: 71.9%
- NEC: 50.6%
このように、特にパナソニックHDは育休取得率が非常に高く、男性が取得しやすい環境が整っていることが伺えます。
定着の理由
各社の離職理由を探る中で、制度の有無以上に「運用の浸透度」が重要であるとされており、以下の特徴が見受けられます。
- - 富士通は社内異動の選択肢を増やし、ポスティング制度を通じてキャリア更新を促進しています。
- - 日立製作所はジョブ型人財マネジメントにより、離職率の低さに納得感のある配置が寄与しています。
- - ソニーグループは高いエンゲージメントスコアで、組織文化が定着率に影響を与えています。
- - パナソニックHDは柔軟な働き方を提供し、改善傾向を示しています。
- - NECと三菱電機は、業界の流動性が高まる中、新陳代謝が促進されているとされています。
まとめ
今回の調査結果から、電機・IT業界は人材の流動化が進んでいる状況がわかります。それにも関わらず、企業独自の制度や運用のあり方が、定着率に影響を与えていることも明らかになりました。今後もこのような動向が続く中で、企業はどのように可能性を広げていくのか、注視が必要です。
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調査概要
本調査は、株式会社エフペリが運営するCareer Revealを基に行われたものであり、6社それぞれの有価証券報告書やサステナビリティレポート等から収集された一次情報を元に分析されています。