リガクと大阪公立大学がEDTの活用拡大に向けて手を組む
リガク株式会社は、電子密度トポグラフィー(EDT)技術の活用拡大に向けて、大阪公立大学と連携し新たな取り組みを始めました。この共同事業の中心には、リガクが開発したEDT装置BioMAXS/EDT(現製品名:MoleQlyze)があり、2025年に販売が開始されるとされています。初号機はすでに大阪公立大学に納入されています。
大阪公立大学の創薬研究への取り組み
大阪公立大学は、2026年4月に新たに創薬科学研究科を設立する計画を進めており、これにより抗体医薬などのバイオ医薬品の研究開発を強化する方針です。EDT技術を活用したMoleQlyzeは、この研究課題に対して非常に高い親和性を持っており、同大学の研究成果の拡大に寄与することが期待されています。さらに、文部科学省のプロジェクト「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されているため、研究環境も整備されつつあります。
懇談会設立と利用者の意見反映
2026年3月2日には、第3回シンポジウム「BioMAXS/EDTの共用促進に向けて」が開催され、EDT装置の利用拡大を目指す利用者懇談会が設立されることが発表されました。懇談会は、リガクのEDT技術を持ち寄り、大阪公立大学の研究環境を融合させることを目的としています。リガクは技術協賛企業として参加し、最新の研究結果や応用事例を共有するほか、利用者からのフィードバックを装置とソフトウェアの改良に活かす方針です。研究者や異業種の企業関係者が自由に意見を交え、技術の高度化を図る場としての役割も担います。
EDT技術の魅力
EDT(Electron Density Topography)は、バイオ医薬品やドラッグデリバリーシステムの研究開発を加速させるためのリガク独自の新技術です。この技術の大きな特長は、溶液中に存在する生体高分子の形状や動きを電子密度像として直接捉えられる点にあります。これにより、分子の動きを含めた確度の高い構造理解が進むことが期待されており、抗体医薬やその他の複雑な分子の研究において新たな道を切り拓く可能性があります。
リガクの成長と展望
リガクグループは、X線分析の分野で先端的な技術を駆使し、1951年の設立以来、136の国と地域でイノベーションを推進してきました。特に国内市場でのシェアが非常に高く、海外売上も約70%に達しています。応用分野は、半導体、電子材料、電池、環境からライフサイエンスにまで広がっており、世界で2,000人以上の従業員が「視るチカラで、世界を変える」というビジョンのもと、高度な技術の開発に努めています。
リガクと大阪公立大学の連携により、今後のEDT技術の進化とその利用開発に期待が高まります。両者が手を携えることで、新たな研究成果が生まれ、それが人々の生活を豊かにすることを願います。