AstroX株式会社は、南相馬市に位置するMSL工場に、国内最大級の成層圏環境模擬装置「SETS(Stratosphere Environment Test Stand)」を導入したことを発表しました。これは、Rockoon方式に基づく実用化開発を加速するための重要なステップとなります。
成層圏環境模擬装置「SETS」について
「SETS」とは、気球を使用して成層圏まで上昇し、その後小型ロケットを発射するための条件を模仿する設備です。この装置は、内部の空間を真空にし、成層圏に似た低圧環境を再現できます。この環境で供試体を設置し、様々な環境試験が実施されます。
AstroXは、株式会社植松電機と協力してこの設備を設計・製造しました。その結果、かなりの規模での実験が可能になることが期待されています。現段階での装置の構造は、吊り下げ方式であり、CMG(コントロール・モーメンタム・ジャイロ)装置をこの設備の中で直接テストできるように設計されています。この方式により、成層圏での姿勢制御機能を、地上で確かめることができ、以前よりも確実性のあるテストが可能になります。
導入の意義
Rockoon方式の実現に向けては、成層圏において姿勢制御が確実に動作することが不可欠です。このため、本設備の導入は、実証試験を重ねる上でも非常に重要な要素となります。実機サイズの供試体が成層圏相当の環境で試験されることで、開発サイクルの短縮と技術の信頼性が向上します。AstroXは、これにより実証の成功率を高め、宇宙開発の実現を加速させる意向です。
SETSの具体的な仕様
SETSは幅3000mm、奥行3000mm、高さ4000mmの大型設備であり、真空性能は1000Pa以下です。試験対象は天井から吊り下げられ、チャンバー内への出入りがスムーズに行える設計になっています。また、観察窓を5か所設けており、観測を容易に行えるよう配慮されています。様々なフランジを備え、計測や流体接続が可能です。
AstroXの未来展望
AstroX株式会社は「宇宙開発で “Japan as No. 1”を取り戻す」というビジョンを持ち、Rockoon方式に基づく小型ロケットの開発を進めています。この設備の導入により、宇宙へのアクセスがより身近になり、様々な研究やビジネスチャンスが広がることが期待されています。
また、AstroXでは現在、ロケット開発に関心を持つ仲間を募集中です。宇宙開発に興味のある方はぜひ採用サイトをご覧ください。