福井県坂井市三里浜で園芸就農が増加する理由とは

福井県の坂井市三国町に広がる三里浜砂丘地に、新しい農業の息吹が吹き込まれています。北陸新幹線の延伸が話題となっているこの地域では、近年、農業未経験者の移住者が増えており、その数はこの13年間で41人に達しました。この動きを牽引しているのが、三里浜砂丘地農業支援センターです。最新の集計によると、41人のうち23人は他府県からの移住者で、その多くが都市部からやってきたことが特徴です。

移住の背景

移住者の多くは、大阪や兵庫などの都市から来た人々で、「農業に興味があった」というよりも、「移住したかった」という動機が大きいようです。例えば、安藤悟さん夫妻は、自然に近い生活を求めて移住を決意しました。彼らは、まず移住フェアに足を運び、農業への栄養も感じつつ、徐々に具体的な就農についてのイメージを膨らませていきました。

一方、鯉田貴博さんは、長年のメーカー勤務を辞めてこの地で農業を始める決断を下しました。「人生の第2ステージ」を見据えた時、食とものづくりの観点から園芸農業に可能性を見いだしたと語ります。こうした移住者の声には、単なる生活の環境を変える以上の価値が見つけられていることが伺えます。

地域の特性と農業支援

三里浜は、美しい自然と広大な耕作可能な砂丘地帯が特徴です。この砂地は雨による影響が少なく、栽培に適した条件を提供します。特に、ミディトマトやメロン、スイカなどが栽培されており、これらは経済的にも安定した収入をもたらしています。

地域の農業を支えるのは、三里浜砂丘地農業支援センターの存在です。新規就農希望者がここで農業について学び、実際に現地での支援を受けながら独立した経営ができるよう、手厚いサポートが行われています。これは新しく入った農家たちにとって、大変安心できる要素です。