アセンダー・キャピタルのアルゴグラフィックスに対する提案の要点
香港に拠点を置くアセンダー・キャピタルは、アルゴグラフィックスの大株主であり、長年の経験を活かしこの度、同社の資本配分政策の見直しを求めています。アセンダー・キャピタルが現行の資本配分政策によって、同社の成長が阻害されていると考えているからです。具体的には、株主還元の向上やガバナンスの強化が必要だと訴えています。
増加する利益に対する株主還元の不満
アルゴグラフィックスの営業利益は年々成長しており、最近の情報によると2025年3月には前年対比で11.2%増加する見込みです。しかし、株主に対するリターンは影を潜めています。過去10年間にわたり、450億円の営業キャッシュフローが未利用のままで、株主への利益還元の具体的な施策が不十分です。この現状に対し、アセンダー・キャピタルは強い不満を抱いています。
提案内容:配当と自己株式の消却
アセンダー・キャピタルは、次回の株主総会において以下の提案を行うことを決定しました。第一に、1株あたり218円の特別配当を実施し、期末配当を1株あたり182円とすること。この配当性向は75%を目指し、持続可能な水準となることを意図しています。
第二の提案は、自己株式の取得を拡大し、保有する全自己株式を即時消却するというものです。これは過剰な資本構成を解消し、株主の権利を強化するための措置となります。
株式の評価と不均衡な資本配分
現在、アルゴグラフィックスの株価はP/E倍率14倍で取引されていますが、これは同業他社に比べて大幅に割安です。アセンダー・キャピタルはこの割引率が企業の業績にはなんら取引では反映されていないと指摘し、適切な評価がなされるべきだと考えています。
ガバナンスの強化と株主の声
また、アセンダー・キャピタルはアルゴグラフィックスの経営陣への信頼についても懸念を示しています。特に、CEOの再任に反対する意向を表明し、時代に即した企業ガバナンスの実施を求めています。取締役会において、より透明性の高い対話を促進することが求められています。
方向性を変えるために必要なステップ
アセンダー・キャピタルの提案は、単なる利益還元に留まらず、企業の長期的な価値創造に向けた重要なステップとして位置付けられています。企業が持続的に成長し、株主の期待に応えるためには、真摯な対話と行動が必須です。
まとめ
アセンダー・キャピタルによるアルゴグラフィックスへの改善要請は、企業ガバナンスや資本配分政策に新たな視点をもたらすことを目指しています。株主全体の利益を考慮した提案がなされ、企業が再評価されることで、今後の成長を促進することが期待されます。今後の株主総会におけるたたかいが注目されます。