フィックスターズが次世代技術「CUMVS」をオープンソースで公開し革新を促進

フィックスターズが開発したMVSソフトウェア「CUMVS」

最新のテクノロジーを駆使した株式会社フィックスターズが、次世代のMulti-View Stereo（MVS）ソフトウェア「CUMVS」（cuda-multi-view-stereo）をApache License 2.0のもとでオープンソースとして公開しました。本ソフトウェアは、物理世界のデジタルツインを実現する重要な一歩であり、さまざまな分野での利用が期待されています。

CUMVSの特徴と応用範囲

CUMVSは、複数の画像を基に被写体の3次元モデルを高速に生成するための技術です。これにより、サイバーフィジカルシステムにおけるをデジタルツインの構築、文化遺産の保存、さらには病院での患者に特化した医療機器の設計など、幅広い分野での活用が可能になります。特に、医療分野においては、この技術を用いることで患者の状態に応じたカスタム医療機器の設計が実現されるため、ますます注目されています。

技術的な進歩とその背景

フィックスターズは、MVSにおけるPatchMatchアルゴリズムをNVIDIAのGPUに特化してゼロから開発しました。このプロセスでは、Warp Divergence問題の解決、共有メモリやテクスチャユニットの活用による性能の最適化が行われました。その結果、CUMVSは従来のMVSソフトウェアと比較して処理速度を5倍以上向上させ、複雑なモデルをより迅速に処理することができるようになりました。

パフォーマンス比較による効果

CUMVSと一般的なMVS実装の一つであるACMMとの処理速度の比較が行われました。ベンチマークの結果は、次の通りです。

- ACMM: 約12277秒
- CUMVS: 約 2140秒

この結果からも明らかなように、CUMVSはACMMに比べて実に5.73倍の高速化を達成しています。これにより、研究者や開発者はより効率的に革新的なアプリケーションを生み出すことが可能となります。

フィックスターズの理念

株式会社フィックスターズは、「Speed up your Business」を企業理念に掲げ、テクノロジーを通じてさまざまな業界をサポートしています。特に医療、製造、金融、モビリティなど、多岐にわたる分野に対して、省電力で高速な技術を提供し、ビジネスの加速を実現しています。

CUMVSのオープンソース公開は、新たな技術革新をともなって、フィックスターズが今後業界に与える影響を大いに期待させます。興味を持った方は、CUMVSのソースコードをこちらから確認できます。さらに、詳細な解説はこちらをご覧ください。