ヤマハ発動機とADLジャパンの新たな社会的インパクト評価方法に注目
近年、環境問題や社会の高齢化が進む中、企業は持続可能な成長を目指し、社会に貢献する取り組みを重要視しています。特にヤマハ発動機は、社会共創型事業の開発に積極的に取り組んでおり、その中でも「グリーンスローモビリティ」(グリスロ)事業が注目を集めています。これに伴い、アーサー・ディ・リトル・ジャパン(ADLジャパン)との協業による新しい社会的インパクトの評価手法が開発されました。
グリスロ事業の目的と背景
ヤマハ発動機のグリーンスローモビリティ事業は、低速電動車両を活用した交通手段を提供します。この事業には、特に高齢者や・郊外地域の住民に対する移動の利便性を向上させるという目的があります。高齢者にとっては乗り降りしやすく、外とのコミュニケーションを促進する設計が特徴で、地域社会に新たなインフラを提供することが期待されています。
ADLジャパンとの協業の意義
今回の協業は、2024年2月から始まったヤマハ発動機とADLジャパンの取り組みの一環で、特に医療・介護・環境分野における社会的インパクトの「貨幣換算化」という新しい試みに焦点を当てています。この手法を用いることで、事業の社会的意義を数字で示すことができ、今後の事業評価や戦略策定に貴重なデータを提供することが可能になります。
社会的インパクト評価の成果
2023年度の事業活動では、ヤマハ発動機が全国で31台のグリスロを運行し、推定で2572名のユニークユーザーが利用しました。評価の結果、年間約1840万円の社会的インパクトがあると算出されました。この数値は、地域への経済的な寄与だけでなく、住民の生活向上にも寄与するものです。
新しい評価手法の詳細
ADLジャパンは、産学連携プラットフォームで得られた知見を基に、特にインパクト加重会計手法を用いた貨幣換算化を行いました。具体的には、KPIを設定し、プロジェクト活動がもたらす社会的影響を定量的に評価することが行われました。また、今回のモデルの妥当性については有識者による確認も行われ、信頼性のある結果が得られています。
今後の展望
ヤマハ発動機は、引き続きより精緻な計算ロジックモデルを開発し、事業評価指標の充実に努めていく方針です。このような取り組みを通じて、企業は持続可能な社会に貢献しながら、長期にわたる成長が実現できると期待されています。また、社会的インパクトの可視化は、投資家や顧客にとっても重要な情報となるでしょう。
参考情報
- - ヤマハ発動機のインパクト評価詳細はこちら
- - ADLジャパンとの協業に関する詳細はこちら
アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社について
1886年に創業されたアーサー・ディ・リトル・ジャパンは、世界初の経営コンサルティングファームの一つで、歴史的なイノベーションの実現を数多く支援してきました。今後もモビリティ関連のプロジェクトを中心に活動を続け、社会の持続可能な成長に寄与していくことが期待されます。
ヤマハ発動機株式会社について
ヤマハ発動機は、二輪車からマリン事業、ロボティクス事業まで多岐にわたる事業を展開し、全世界で高いシェアを誇っています。特に、グリーンスローモビリティ事業は近年注力している領域であり、今後の展開が期待されます。