タクシー会社の挑戦
2022-10-18 15:39:44

コロナ禍を乗り越え、タクシー会社が生きくらげ栽培に挑戦

新たな挑戦、タクシー会社の生きくらげ栽培の物語



埼玉県のタクシー会社、日栄交通株式会社がコロナ禍の影響を受け、独自の事業へと舵を切った。2020年、新型コロナウイルスの影響で同社のタクシー事業は一時的に売り上げが8割も減少し、会社存続の危機に直面した。

その際、従業員の一人が「きくらげの栽培をしてみたらどうだろう」という提案を受けたことがきっかけとなり、同社はきくらげの栽培に乗り出すことにした。調査を進めるうちに、きくらげに含まれる豊富な栄養素や国内の生産者が少ないため需要が高まっていることに気づいた。それは、コロナ禍で多くの人々が健康に気を使うようになった今、まさにタイムリーな事業展開だった。

栽培の初め



最初は未使用だった会社のシャワー室で試験的にきくらげを育てた。初めて口にした生きくらげの食感に驚いたチームは、これに賭けてみようという気持ちが高まった。「他にもきっとこの美味しさを楽しんでくれる人がいるはずだ」との確信から、翌年には車庫の空き地にビニールハウスを建設。きくらげの生産が本格化した。

あの日のはごたえ



「埼玉県産生きくらげ、あの日のはごたえ」という商品名。その名に込められた思いは、幼少期の思い出に基づいている。家族と食卓を囲んだ情景を呼び起こし、懐かしい風景の記憶を共有したいという願いが込められている。この商品は、味わい深い食感と共に、家族の団らんの時間を提供している。現在では、地元のスーパーマーケットや飲食店、さらには小学校の給食にも取り入れられている。

国産の必要性



実は、日本国内で流通しているきくらげの90%は中国産である。国産の生きくらげは希少であり、まだまだ認知度は低い。そのため、日栄交通は国産生きくらげの普及に努め、消費者にその魅力を知ってもらうことを目指している。

空き家の有効活用



ビニールハウスでの栽培が順調に進む中で、2022年6月には新たに空き家をイメージしたプレハブを設置したことで、通年栽培を目指すことができるようになった。さらに同年8月には埼玉県桶川市に空き家を購入し、現在はDIYによる改装が進められている。この活動を通じて、日栄交通は空き家を活用した新たなビジネスモデルの構築と共に、地域貢献にもフォーカスしている。

日栄交通は、きくらげを通じて地域に新たな価値を提供しながら、コロナ禍を経た新たな挑戦を続けていく。彼らの取り組みは、業界の枠を越えた新たな可能性を開く一歩と言えるだろう。

会社情報

会社名
日栄交通株式会社
住所
埼玉県さいたま市南区文蔵3-6-12
電話番号
048-864-0003

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。