ローデ・シュワルツがEuMW 2024で6G向けTHzシステムを発表!
ローデ・シュワルツは、2024年9月にパリで行われるEuropean Microwave Week(EuMW)のイベントにおいて、6G通信技術に寄与する最新のテラヘルツ(THz)システムを発表する。特に光周波数コム技術に基づく超安定かつチューナブルなこのシステムは、次世代無線データ送信を実現することで業界の注目を集めている。
6G通信の未来を支えるテクノロジー
6Gの実現に向けて、広帯域な周波数範囲を高品質でカバーできるTHz信号源の整備が急務とされている。ローデ・シュワルツが開発したシステムは、500 GHzを超えるキャリア周波数のサポートを可能にし、将来的にはセンシングや画像処理分野にも応用が期待される。この技術は、光学技術とエレクトロニクスの融合を図ることで、新たなデータ送信手段を提供する。
6G-ADLANTIKプロジェクト
今回の発表は、6G-ADLANTIKと呼ばれるプロジェクトの一環として行われる。このプロジェクトは、ドイツ連邦教育研究省が資金提供し、ローデ・シュワルツがコーディネーターを務めるもので、TOPTICA Photonics AGやフラウンホーファーHHI研究所などがパートナーとして参加している。この新たなTHz周波数帯のコンポーネント開発により、将来的にはより革新的な測定やデータ送信が可能になる見込みだ。
PoCシステムの詳細
今回の概念実証(PoC)では、光周波数コム技術を活用したTHz信号の生成が可能なシステムが紹介される。このシステムは、微細な波長の異なるレーザー光を用いてフォトミキシングを行い、その結果生じた電気信号をTHz波に変換することで、効率的なデータ通信を実現する。また、周波数の変調や復調が可能で、広帯域なチューニングを実行しやすい設計となっている。さらに、受信したTHz信号の特性評価を行うための拡張も考慮されている。
フォトニクス技術による低位相雑音
このシステムの特筆すべきポイントは、極めて低い位相雑音を実現しているところだ。これは、TOPTICA社のレーザーエンジンやローデ・シュワルツのハイエンド機器の連携で達成されている。具体的には、R&S SFI100A広帯域IFベクトル信号発生器やR&S SMA100B RF/マイクロ波信号発生器を組み合わせ、安定したベースバンド信号を生成し、最終的には300 GHzの信号の処理を行う。
6G通信がもたらす変革
6Gが実現することで、私たちの日常生活や医療分野、さらには産業界においても新たな応用が期待されている。具体的には、メタバースや拡張現実(XR)のような新しい技術は、現在の通信システムでは応えきれないデータ送信速度や遅延の課題に直面している。ITUが主催するWorld Radio Conference 2023では、2030年に6Gネットワークが商用化されることが確認され、新たな周波数帯域の探求が進められている。
展示会での情報提供
ローデ・シュワルツは、2024年9月24日から26日にかけてパリの展示場で行われるEuMW 2024において、RFおよびマイクロ波テストソリューションの各種機器を展示する予定だ。また、9月22日には、無線周波数アプリケーション向けのフォトニクス技術に関するワークショップを共催し、多様な視点からこの技術の可能性を深堀する。
今後の6G通信技術におけるローデ・シュワルツの動向や最新情報については、公式ウェブサイトにて随時発表される。技術の進展とともに、私たちの未来もどのように変わっていくのか、大いに楽しみだ。