福岡市が開拓する新たなインバウンド市場
最近、福岡市は新しいインバウンド市場として「海外デジタルノマド」の誘客に力を入れています。この取り組みは、株式会社遊行が企画・運営するもので、昨年10月に実施された「Colive Fukuoka 2024」がその一環です。このイベントはビジネスと観光を融合させ、長期滞在が可能な新たな市場の開発を目指しています。
Colive Fukuoka 2024の概要
2024年4月、出入国在留管理庁がグローバルなリモートワークを行う外国人向けに「デジタルノマドビザ」を新たに導入することが発表されました。この背景には、デジタル技術の進化や、コロナ禍以降の働き方の多様化があります。福岡市は、2023年10月に「Colive Fukuoka 2023」を開催し、計24の国から約50人を招待しましたが、2024年にはその参加者数が8倍以上に増え、44カ国から400名以上が集まりました。この成功をもとに、福岡市はデジタルノマドの誘致を進めています。
プログラム概要
「Colive Fukuoka 2024」は1か月間にわたって、デジタルノマドのために多様なプログラムを提供しました。前半ではコワーキングスペースでのリモートワーク、地域スタートアップとの交流、食文化体験などが行われました。また、後半には「World Nomad Conference」を開催し、各国のリーダーたちが「デジタルノマドビザ」や企業との共創について発表を行いました。
成果報告
福岡市におけるこの取り組みは、以下の3つの視点からの成果をもたらしました。
1.
グローバルな地方創生の推進
45カ国から436名が参加し、特に欧米からの参加者が多かったことが特徴的です。これにより、福岡市のインバウンド戦略が新しい層をターゲットにすることに成功しました。
2.
経済効果の増大
経済効果は約1.1億円に達し、デジタルノマドの平均滞在日数は19日です。これにより、長期滞在型インバウンド市場の可能性が示されました。
3.
新しいビジネスモデルの構築
レノボや日本マイクロソフト、サントリーといった大企業が参加し、デジタルノマドとのビジネスマッチングが行われました。このような企業の動きは、地域経済を刺激する要因となっています。
福岡市の成長戦略
福岡市の観光産業課の横山裕一課長は、デジタルノマドの誘致が地方経済に与えるインパクトの重要性を強調し、今後も受け入れ体制の整備を進めていく意向を示しています。また、遊行の大瀬良亮CEOは、デジタルノマドビザの活用において課題もあるとしつつ、福岡の名称が世界に広がることを確信しています。
株式会社遊行のビジョン
株式会社遊行は、デジタルノマド市場に特化したマーケティング支援を行い、「Be where you are meant to be.(いるべき場所に、いられる世界へ)」というビジョンを掲げています。福岡市を拠点とし、今後もこの市場の発展に寄与していくことが期待されています。
まとめ
福岡市の「Colive Fukuoka 2024」は、ただの観光イベントに留まらず、地域経済やビジネスマッチング、さらにデジタルノマド市場の成長をサポートする重要なプログラムであることが明らかになりました。これからの福岡市の動向に目が離せません。