新たな地域医療の可能性
2025-07-23 14:21:24

オンラインでの言語療法が示す新たな地域医療の可能性

オンラインでの言語療法が示す新たな地域医療の可能性



2025年6月に山形で開催される第26回日本言語聴覚学会で、言語聴覚士と保健師が連携し、オンラインビデオ会議ツールを使った言語療法に関する報告が行われます。この学会では、言語聴覚士の果たす役割が注目され、「人と社会を変える力」について考えられる場となります。

地域における言語聴覚士の不足



日本の地方では、言語聴覚士の不足が深刻な問題になっています。例えば、北海道の鷹栖町では、町外から訪れる言語聴覚士が月に一度、保健センターで行う言葉の相談が行われており、地域の子どもたちが専門家と触れ合う貴重な機会となっています。この取り組みは、地域全体で子どもたちの成長を支える環境の構築に寄与しています。

特に「機能性構音障害」とは、発音の問題であり、病気や発達障害とは直接関係がない場合も多く、すべての子どもに影響を及ぼす可能性があります。この障害は、早期に言語療法を受けることで改善が見込まれますが、月に複数回の治療が必要な場合があります。

ケーススタディの報告



今回発表される内容は、機能性構音障害を持つお子さんに関するものです。保健師、現地の言語聴覚士、そして遠隔地の言語聴覚士がチームとなり、共同で介入を行った結果について考察が加えられます。具体的には、次のような経過が報告されています:

1. 初期の診断と経過:3歳6か月の健診で発音不明瞭との指摘を受け、保健師が相談を受ける流れになりました。
2. 専門的支援の開始:就学時健診を経て、障害の改善を目的とした言語療法が始まり、定期的な支持が行われましたが、必要性からオンラインによる追加の訓練が導入されました。
3. オンライン療法の効果:オンラインでの訓練を通じて支持を得た結果、関係者との連携が取れていることにより、訓練の効果が向上しました。

オンラインの利点と課題



オンライン言語療法には、遠方にいる専門家が協力しやすいというメリットがあります。一方で、対面での視診や触診が制限され、必要な実物を用いた訓練が難しいという課題も存在します。しかし、現地の言語聴覚士との連携によって、評価や必要な情報を得ることができ、オンラインでも効果的な支援が可能であることが確認されました。

今後の展望と地域への応用



地域保健センターは、子どもたちの健やかな成長をサポートするために重要な役割を果たしています。この活動は、言語聴覚士不足や他の地域でも応用が可能です。特にICTを活用した支援体制が整えば、より多くの地域での言語療法が実現されるでしょう。今後は、オンライン療法が必要な地域において言語聴覚士の育成や、地域とのネットワークづくりが進むことを目指しています。これにより、全ての子どもたちがしっかりとサポートを受けられる社会を築くことが期待されています。


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