革新的蓄熱材開発
2024-11-14 17:10:13

世界最高蓄熱密度!三菱電機と東京科学大学、水主成分の革新的蓄熱材を開発

世界最高蓄熱密度!三菱電機と東京科学大学、水主成分の革新的蓄熱材を開発



地球温暖化対策とエネルギー危機が深刻化する中、省エネルギー化技術の開発が急務となっています。この度、三菱電機株式会社と国立大学法人東京科学大学は、画期的な蓄熱材を共同開発しました。

この蓄熱材は、なんと水を主成分とする世界最高レベルの蓄熱密度を誇ります。30℃~60℃という低温の熱を、562kJ/Lという驚異的な密度で蓄えることができるのです。これは従来の蓄熱材の2倍以上の性能で、低温排熱の有効活用に大きな可能性をもたらします。

画期的な蓄熱メカニズム



従来の蓄熱材は、脂肪酸やパラフィン、水和塩などが使用され、固体と液体の相転移を利用した蓄熱が行われていました。一方、今回開発された蓄熱材は、感温性高分子ゲルという新しい素材を採用。このゲルは、温度変化によって親水性と疎水性を変化させる性質があり、その構造変化を利用して熱を蓄えます。

特に注目すべきは、「高分子混雑環境」という概念です。これは、生体細胞内で見られる高分子が密集した環境を模倣したもので、この環境下では水分子が不規則な配列になり、エネルギー状態が高まります。この高エネルギー状態の水分子こそが、低温でも高密度に熱を蓄える秘密なのです。

開発チームは、三菱電機の分子シミュレーション技術と東京科学大学の階層構造ポリマー合成技術を融合させることで、この革新的な蓄熱材の開発に成功しました。感温性高分子ゲルの構造相転移反応と、水分子間の水素結合反応という二つの反応が連動することで、高分子混雑環境が形成され、高密度蓄熱を実現しているのです。

安全性と低コストも両立



この蓄熱材は、主成分が水であるため安全性が高く、副成分の高分子も可燃性や毒性はありません。さらに、水は安価で入手しやすい素材であるため、低コストでの製造も可能です。これらの特徴は、実用化への大きなメリットとなります。

今後の展望



開発チームは、今後の研究開発により蓄熱温度範囲の拡大を目指しています。低温排熱を有効活用することで、工場や自動車、オフィス、住宅など様々な場面での省エネルギー化、ひいてはカーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献することが期待されます。

企業情報



三菱電機株式会社

三菱電機グループは、100年を超える歴史を持つグローバル企業です。社会システム、電力システム、防衛・宇宙システムなど幅広い事業を展開しており、2023年度の連結売上高は5兆円を超えます。デジタル技術を活用し、サステナビリティにも積極的に取り組んでいます。

国立大学法人東京科学大学

2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して誕生した国立大学です。「科学の進歩」と「人々の幸せ」を探求し、社会とともに新たな価値を創造することを目指しています。

まとめ



三菱電機と東京科学大学によるこの革新的な蓄熱材の開発は、省エネルギー化と脱炭素化に向けた大きな一歩となるでしょう。今後の展開に期待が高まります。


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会社情報

会社名
三菱電機株式会社
住所
東京都千代田区丸の内2-7-3東京ビル
電話番号
03-3218-2111

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