廃棄から生まれる新たな価値。『Redeer』プロジェクトのすべて
北海道の北見市で、スタイリッシュかつエコフレンドリーな取り組みが進行中です。『Redeer(リディア)』プロジェクトは、廃棄される鹿皮を再利用し、地域の未来を築くことを目指しています。これは、地元の飲食店である「タコスと革製品の店 CACTUS」が、オホーツク産エゾシカ肉を提供する中で、鹿皮が無駄にされている現状に気付いたことから始まりました。「食肉を扱う以上、肉だけでなく皮も活かしたい」という思いが『Redeer』の誕生を後押ししました。
「Redeer」は、「Re」(再生)と「deer」(鹿)を組み合わせた言葉。廃棄される鹿皮に新たな価値を与え、地域資源として循環させる活動は、環境への配慮だけでなく地元経済の活性化にも繋がっています。
食肉加工と鹿皮の循環利用
本プロジェクトの柱となるのは、株式会社オホーツクジビエの協力です。この会社は、エゾシカの食肉加工を行っており、鹿肉を仕入れる過程で、皮が廃棄されている現実に向き合いました。彼らの協力によって、廃棄されるはずだった鹿皮を革資源として活用できる環境が整い、「命を余すことなく使い切る」という理念が具体化されました。
この取り組みは、単に鹿肉の利用から鹿皮の活用へと進展するだけでなく、地域全体に新しい循環モデルを提供するものです。
地域福祉との連携
さらに、このプロジェクトは地域福祉とも連携しています。鹿革製品の製作工程の一部は、北見市の就労支援事業所であるNPO法人とむての森の協力を受けています。彼らは、鞣された鹿革を製品ごとの型紙に合わせて切断する作業を行い、これにより廃棄されていた鹿皮は新たな生命を得ます。このような取り組みは、地域の福祉と連携した持続可能な循環を目指すものです。
野生のぬくもりをその手に
鹿革は、そのしっとりとした手触りと柔らかさが魅力です。自然の中で生き抜いてきた野生の力強さと優しさを併せ持つこの素材は、使えば使うほどに風合いが増し、手に馴染んでいきます。Redeerでは、捨てられるはずだった命に新たな価値を与えることを目指し、一つひとつ丁寧に製作しています。
例えば、鹿革を使用した名刺入れは、名刺交換の瞬間に寄り添います。しっとりとした手触りが持ち主の独自の品格を引き出し、使い込むほどに深みを加えます。また、通院ポーチは、大切な「命」に寄り添うアイテムとして、健康管理をサポートします。
クラウドファンディングへの挑戦
現在、RedeerはCAMPFIREでクラウドファンディングに挑戦しています。この取り組みを広め、多くの人に知ってもらうことが目的です。「廃棄されるはずだった鹿皮に新たな価値を見いだす」というスローガンのもと、地域福祉との連携を強化し、新しい循環を広げるための支援を呼びかけています。この活動を通じて、地域資源と人々をつなぎ、持続可能な未来を切り拓きます。
一頭のエゾシカからいただいた命を、最後まで大切に使い切る姿勢が、地域の循環の輪を全国に広げていくことを願っています。