講演:2024年の孤独とAIの役割
2024年、私たちの社会は孤独と向き合う機会が増えてきました。4月には「孤独・孤立対策推進法」が施行され、孤独は私たち全体の課題と捉えられるようになりました。この背景の中で、AIを活用した新たなサービスが続々と誕生しています。特に、MTTOKYO FMが放送する特別番組『2024年の孤独~AIはヒトの心を癒すのか?~』では、孤独を癒す可能性を秘めたAI技術についての議論が繰り広げられます。パーソナリティの佐々木俊尚がこのテーマの深い側面を探ります。
ゲスト紹介と議論の焦点
番組には、株式会社アイキューキャピタルの水野伸夫氏、哲学者の谷川嘉浩氏、アーティストの福原志保氏、AI研究者の大澤正彦氏が参加します。
水野氏は、AIを用いて亡くなった人の性格や声を再現する「AI故人復活サービス」を手掛けています。このサービスは、特に突然の別れを経験した人々から高い需要があり、申し込みの開始から僅か二日で500名の枠が埋まるほどの反響を呼びました。実際、哀しみを和らげる効果があるという報告もされていますが、自分に都合の良いAIとの関係が実際の人間関係にどのように影響するのかといった懸念もあります。
続いて哲学者の谷川氏は、「スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険」と題した著書を通じて、現代における孤独の意味を探るとともに、AIとの関係が新たな孤独を生む可能性について考察します。
アーティストの福原氏は、亡くなった人の遺伝子を木に埋め込み“生きた墓標”を創り出す「バイオプレゼンス」のアートを手掛け、その背後にある感情や孤独を具現化する姿勢を示します。
研究者の大澤氏は、ドラえもんを作るためのAIと人間の心理に関する研究を通じて、AIがどのように人々の心に影響を与えるのかを語ります。
AIとコミュニケーションの新しい形
専門家たちは、AIが孤独を癒す手段としての役割に意見を交えながら、2024年の孤独がどのように変化するのかについても言及します。AIと人間の関係は、時に支え合う存在となる一方で、実在の人間関係を希薄にする危険があります。
この特別番組は、視聴者にとって心のケアを考える良い機会です。AIがどのような役割を果たし、私たちの孤独をどこまで和らげることができるのか、一緒に考えてみましょう。番組のリスニングを通じて、孤独というテーマが2024年にどのように進化するのか、その視点を探ってみてください。
放送情報
- - 放送局: TOKYO FM
- - 放送日時: 2024年9月23日(月)20:00~20:55
- - パーソナリティ: 佐々木俊尚
- - ゲスト: 水野伸夫、谷川嘉浩、福原志保、大澤正彦