カナダ視察団、フィリックス株式会社の工場を訪問
2023年11月12日、カナダ国立研究機構(NRC)及びケベック木材製品輸出振興会(QWEB)が、静岡県富士市のフィリックス株式会社の各工場を訪れました。この視察団が注目したのは、フィリックスが独自に開発した建設技術「FELIX工法7.0」です。
FELIX工法7.0の概要
「FELIX工法7.0」は、木造住宅の工業化を進める新しい技術で、工場内でほぼすべての住宅部品を生産し、一括で現場に運ぶシステムです。この方法により、住宅建設の約70%の作業を工場で完了させることが可能となり、工期を大幅に短縮し、品質も均一化されるだけでなく、建設現場での音や労働負担を軽減することが期待されています。特に職人不足の解消や施工の効率化が図られます。
視察の詳細
視察団はまず、富士第二工場での加工工程を見学し、その後、組立が行われる富士第一工場、そして「FELIX工法7.0」の開発拠点である富士開発工場へと移動しました。そこでフィリックスの社長や役員と共に、設計部やプレカット事業部の専門家による説明を受けました。視察の中で、参加者からは「柱の構造や壁材の種類、施工時の工夫について」の質問が多く寄せられ、興味津々の様子が見受けられました。
質疑応答での熱気
富士開発工場では、技術に関する白熱した質疑応答が展開され、特に「雨の日でも施工の品質を保つ工夫」や「効率的な施工のための専用機械について」など具体的な質問が相次ぎました。この熱気は視察時間を大幅に延長するほどであり、参加者一同が真剣に技術を理解しようとする姿勢が印象的でした。さらに、視察の最後には、モデルハウス内で「FELIX工法7.0」に関する動画が上映され、参加者の中から「データをぜひ提供してほしい」という声も上がりました。
カナダ側の評価
視察を終えたQWEBの関係者からは、「カナダにもフィリックスのような革新的な企業があれば、業界全体の発展が進む」との評価が寄せられました。これは日本の工業化・木造建設技術への大きな国際的評価として、今後の展開に期待が寄せられます。
今後の展望
今回の視察を契機に、フィリックス株式会社とQWEBの間での技術交流が継続して行われる意向が示されました。さらには、カナダ大使館及び現地への訪問計画も視野に入れ、北米市場でのさらなる連携が進む可能性が広がっています。
結論
「FELIX工法7.0」は、単なる住宅建設の方法を超えて、日本の技術を世界に広めるための重要な一歩といえます。今後の進展から目が離せません。国際的に評価されるこの技術が、どのように木造建設の新たなスタンダードを築いていくのか、期待が高まります。