日本初のエビデンスベースマーケティング研究機構が設立される

最近、日本で新たに設立された一般社団法人日本エビデンスベーストマーケティング研究機構（EBMI）は、マーケティングの在り方に革命をもたらそうとしています。この機構は、株式会社カタリナマーケティングジャパンが研究パートナーとして参加し、実際の購買データに基づく実証研究を通じて、エビデンスに支えられたマーケティング手法を広めることを目的としています。

日本エビデンスベーストマーケティング研究機構の概要

EBMIは、メーカー、小売業者、広告代理店、学術界、サプライヤーが集まり、商品開発や広告コミュニケーション、顧客体験（CX）など、マーケティング活動の各側面でエビデンスベースのアプローチを浸透させるための取り組みを行う組織です。特に、データに基づかない表面的なマーケティング手法ではなく、積み上げた経験と学びを重視する姿勢が強調されています。

主な活動フロー

1. 研究振興評議会が、事業会社CMOクラスのメンバーによって構成され、検証が必要なマーケティング課題を特定します。
2. 特定された課題に対処するための研究分科会が設立され、実証研究を推進します。
3. 研究結果は会員企業やメディアに発表され、その知見を広く共有します。

この流れにより、日本市場におけるエビデンスの実証研究が進められ、参加企業は実務課題に対して新たな知見を得ることが期待されています。

具体的な研究アプローチ

研究分科会では、個社が解決できない実務課題に焦点を当て、実購買データを用いて実証研究を行います。得られた知見は、記事や動画などの学習リソースとして会員企業に還元される予定です。カタリナマーケティングジャパンは、この研究の中心的な役割を担い、実際の購買データをもとにした研究を推進します。

カタリナマーケティングジャパンが運営するカタリナネットワークは、日本全国の多くの商業施設での取引データを網羅しており、実際なデータが豊富であることから、信頼性の高い研究が実施可能です。

学術的な視点からのアドバイザリー

EBMIでは、アカデミックアドバイザーとして中央大学名誉教授の田中洋氏を迎えており、彼の専門知識を通じて研究の質を高めていく方針です。学術界からの視点を加えることで、マーケティング研究の標準化も進めていきます。

設立の背景

この研究機構の設立は、日本のマーケティング界におけるさまざまな課題への対処を目指した結果です。特に、個社が抱える問題に対する横断的な組織としての必要性を感じたことが、EBMIの誕生につながりました。これにより、志を同じくする企業が集まり、マーケティング界の革新を先導するプラットフォームが整備されたのです。