向坂くじらの新作小説『踊れ、愛より痛いほうへ』
若き才能、向坂くじらの最新作『踊れ、愛より痛いほうへ』が、第173回芥川龍之介賞の候補作に選ばれました。この快挙は、デビュー作である『いなくなくならなくならないで』が第171回芥川賞候補となったことに続くものです。
小説の内容とあらすじ
『踊れ、愛より痛いほうへ』は、著者の哲学的な問いかけとも言える物語が展開されます。主人公のアンノは、幼少期からの心の傷に苦しむ高校生。彼女は、母親の胎内にいた「妹」が自分のせいで生きていないことを知り、その衝撃に打ちひしがれます。この経験が彼女の恋愛観や家庭への拒否感に影響を及ぼし、アンノは家の庭にテントを張り、自らの居場所を求める生活を始めます。
この作品では、血縁に囚われない新たな「家庭」のあり方に挑戦し、愛の複雑さを描き出しています。著者の向坂くじらは、彼女の言葉を通して、現代の若者が抱える孤独や葛藤をリアルに切り取っています。
評論と評価
文芸時評では、著名な批評家の渡邊英理氏がこの作品を「別の形の愛を求めるあなたへの過激な恋文」と評しており、その魅力は多くの読者に届くことでしょう。異なる愛の形、そしてそれに伴う苦悩を知り得る作品として、読者に深い感動を与えます。
向坂くじらは、詩人としても知られ、詩集やエッセイを手がけるなど多才な作家です。彼女の作品は、ただのエンターテイメントに留まらず、哲学的な要素をも含んでいる点が魅力です。彼女の視点から描かれる人間関係の描写は、今までの恋愛文学とはひと味違った新鮮さがあります。
発売情報
『踊れ、愛より痛いほうへ』は、2025年6月24日に株式会社河出書房新社から発売され、定価は税込1,870円。電子書籍版も同時発売予定で、あらゆる読者に触れる機会が提供されます。
向坂くじらのファンはもちろん、新たな文学作品を求める方も、この機会にぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。来る選考会は2025年7月16日で、今後の展開に大きな期待が寄せられています。
おわりに
向坂くじらの才能に注目が集まる中、彼女の言葉が現代の若者たちに響くことを願っています。多くの人々に新しい世界観を提供するこの小説が、どのように評価されるのか、今から楽しみです。