富士通のAI医療支援
2025-11-19 13:26:12

富士通Japan、名古屋医療センターで生成AIを活用した医療文書作成支援を本格運用開始

富士通Japanが名古屋医療センターにてAI活用



日本の医療現場における効率化が進む中、富士通Japan株式会社は、独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターへ生成AIを用いた医療文書作成支援サービスの導入を行いました。この取り組みは、医療現場の働き方改革や医療の質向上を目指しています。2025年10月31日からの本格運用に向け、全診療科において退院サマリの作成を効率化するための環境が整備されました。

医療現場の現状と課題



医療業界では、診療業務の他に、膨大な量の文書作成に追われる医師たちの現状があります。特に、入院していた患者の退院時に作成される退院サマリは、患者の病歴や治療経過を詳細に記載し、他の医療機関やケア施設と共有する重要なドキュメントです。名古屋医療センターでは、これまでに年間約16,000件の退院サマリの作成を行っており、その際に医師が持つ業務負担が常に問題とされてきました。

生成AIの導入効果



富士通Japanのサービスは、電子カルテに記録された診療情報を基に生成AIが医療文書のドラフトを作成する支援を行います。名古屋医療センターでの試験導入では、整形外科を含む複数の診療科において、退院サマリ作成の平均時間が28分から8分に短縮され、実に7割以上の効率化が達成されました。この結果、医師は「情報を収集し整理する」という業務から解放され、より専門的な患者ケアに専念できるようになりました。さらに、年間約5,000万円のコスト削減効果も期待されています。

AIの安全性への配慮



本サービスの特筆すべき点は、クラウド型のシステムでありながら、専用回線を通じた閉域ネットワークを利用しているため、診療データを外部にも保存せずに安全に使用できる点です。富士通Japanは、生成AIが誤った情報を出力するリスクを軽減するために、医療現場との協業による厳密な調整を行っており、医療文書に必要な信頼性と精度向上に寄与しています。また、医療情報共有の国際基準であるHL7 FHIRにも対応しています。

今後の展望



富士通Japanは、生成AIの利用を医療文書作成に留まらず、診療業務の全体効率化や診療情報の有効活用へと拡大していく計画です。これにより、医療機関全体のデジタル化が進み、持続可能な医療体制の構築に貢献し、デジタルホスピタルの実現を目指しています。

本取り組みは、医療現場に新たな価値をもたらすものであり、今後の進展に期待が寄せられています。


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会社情報

会社名
富士通株式会社
住所
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
電話番号

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